出産の兆候: 出産が近いサインは?

分娩はいつ始まるの?破水したら?それとも、陣痛が始まったら?破水も陣痛も明らかな分娩の開始のサインですが、このような分娩開始のサインをはっきりと感じないママもいます。妊娠36週目を過ぎたら、いつ出産が始まってもおかしくありません。普段、ママの体は大切な合図を出していて、ママもそれに気がついているでしょう?でも、分娩開始のサインは人によって違います。妊娠中のママによく現れる、出産が近づいてきていると言うサインをまとめてみました。

分娩の進み方、本陣痛と偽陣痛の違い、分娩開始のサイン、など、分娩についてご紹介します。

分娩とは?

分娩や出産は、これまでママの温かくて居心地のいい子宮の中にいた赤ちゃんが、ついに外の世界に出てくること、胎盤や羊水などの赤ちゃんの付属物がママの体から出てくることを言います。ママはこの瞬間を不安と期待の入り混じった気持ちで待っているでしょう。でも、出産の進み方はママによって変わります。時間をかけながら、各分娩の段階を経て、ようやく赤ちゃんが外の世界に出てきます。分娩の流れについて予め知っておくと、ママも安心ですね。

分娩の開始はいつ?

最終月経日や妊娠周期から計算される出産予定日は、妊娠40週0日のことを指しています。一般的に、胎内で育つ赤ちゃんが生まれてきても大丈夫とされている「正期産」の時期は妊娠37週から42週頃とされています。必ずしも妊娠40週0日にママが出産するわけではありません。「正期産」とは、妊娠37週0日から41週6日までの35日間です。赤ちゃんの身体の機能や各臓器が十分に発育して、産まれても大丈夫な時期とされています。それ以前22週0日から36週6日までに産まれると「早産」、42週0日以降に産まれるのを「過期産」と言います。

妊娠40週目前、例えば38週や39週で生まれることもあります。37週目前に分娩が始まることを早産と呼びます。実際に早産になることは稀ですが、いずれにしても早産の兆候が見られたら、すぐにお医者さんに伝えるようにしましょう。

出産予定日が過ぎたら、いつ分娩が始まるのだろうかとドキドキしますね。伝統的な陣痛誘発の方法として、ひまし油を飲むのがいいといわれますが、実際の効果は懐疑的です。トイレ掃除や床拭きが陣痛を引き起こすとも言いますが、陣痛が始まらずに心配な時はお医者さんに相談しましょう。

分娩の流れ

分娩の流れは主に以下の3段階に分けることができます。

  1. 分娩第1期/子宮口が全開になるまで:分娩開始から、子宮口が完全に開く(全開大約 10cm)までをいいます。陣痛は分娩第1期と分娩第2期の2段階に分けることができます。2つの陣痛の違いは、ママの陣痛の感じ方と陣痛の間隔です。前駆陣痛を経て、分娩第1期は比較的軽い陣痛と痛みが、分娩第2期は比較的広い範囲で強い痛みを感じ、規則的になります。

  2. 分娩第2期/子宮口が全開。赤ちゃんが外に出てくる:分娩第1期よりもかかる時間は短いとされています。子宮口が完全に開き、ママがいきむことで赤ちゃんが外に出てきます。

  3. 分娩第3期/胎盤が出てくる:分娩の流れで一番短い時間です。赤ちゃんが生まれた後、しばらく間をおいてから胎盤が出てきます。胎盤が子宮壁からはがれ落ちる時に軽い陣痛を感じます。胎盤が出たら、「出産」は終わりです!

分娩のサインと症状

出産が近づくと、ママの体には色々な変化が現れます。これらの変化はママによって異なりますが、共通のものもあります。出産が近づき、多くのママに見られる10の症状をまとめました。

  1. 巣づくり本能:突然、掃除や片づけをしたくなる

  2. 赤ちゃんが下りてくるような感覚に陥る

  3. 陣痛が強くなる

  4. 子宮頸管が短くなる:赤ちゃんの通路となる子宮頚管が子宮筋の収縮や赤ちゃんが降りてくることで短く、柔らかくなって、開きやすくなります。この現象が、早期に起こると早産に結びつきます。

  5. おなかの張り:子宮が不規則に収縮

  6. 粘液栓が出る

  7. 破水

  8. 足のこむら返り

  9. 腰や背中の下の辺りが痛み、押される感じ

  10. 吐き気

上記の症状が現れたら、出産が近づいてきているサインです。不規則な陣痛である前駆陣痛やおしるしが現れ、やがて子宮口が開き、柔らかくなります。陣痛が始まるのはもうすぐです。 分娩第1期の症状を2段階に分けてみてみましょう。

分娩第1期:早期陣痛

早期陣痛がどの程度続くのかは、予想がつきません。初めての出産の場合は、ここから本陣痛が始まるまで、数時間か数日続くとも言われています。ただ、この後に来る出産よりは短いことがほとんどです。陣痛の感覚が短くなって破水するまでは、ゆったりとした気持ちで過ごしましょう。だんだん本陣痛が始まってきます。

出産までの流れはママによって違います。分娩の前兆を感じる時期や分娩の第一期には以下のような症状が見られますが、症状の出方にも個人差があります。

  • 巣づくり本能:出産開始の数日前や数週間前に突然、元気が出てきて、赤ちゃんのために部屋をきれいにして準備しよう!とします。これが巣づくり本能です。巣づくり本能は妊娠中、いつでも現れる可能性がありますが、出産前に巣づくり本能が出てくるママが多いです。あまり無理はしないでくださいね。

  • 赤ちゃんが下がってくる:おなかの中の赤ちゃんが、出産に向けて子宮の出口に下がってきます。ママの胃や胸の圧迫感が取れて、胃もたれや胸やけの症状がなくなります。食事がとりやすくなり、呼吸も楽になります。

  • 軽い陣痛: 5~15分ぐらいの間隔で、1分から1分半ほど続く軽い陣痛を感じることも。背中に感じていた痛みや圧迫感が子宮に移ってきます。早期陣痛の最後の方には、陣痛の間隔は5分ほどになります。

  • 子宮頸管が短くなる: 赤ちゃんが通る子宮頚管が子宮筋の収縮や赤ちゃんが下りてくることで短く、柔らかくなって、開きやすくなります。軽い陣痛を感じるママもいますが、この時点ではまだ何も感じないママもいます。

  • おなかの張り:子宮が不規則に収縮します。子宮口が全開になるまで骨盤が広がります。子宮口は最初は徐々にゆっくりと開いて行きますが、本格的な陣痛が始まると急速に開いていきます。

  • 粘液栓 が出てくる:血の混じったゼリー状の粘液の塊に気がついたママもいるでしょう。分娩が近づくと、粘液栓が外に出てくることがあります。これはおしるしと呼ばれるもの。粘液栓はママの妊娠中、子宮口をふさいで蓋の役割を果たしています。 分娩の始まる数日前に粘液栓が出てくるママもいれば、気がつかないママもいます。

分娩第1期:本陣痛

本陣痛は本格的な出産の始まり。病院へ行く時です。本陣痛は4~8時間ほどか、それ以上の場合もあります。子宮口は6~10センチほどに広がってきて、ママには出産前の症状が現れ、いよいよ生まれる!と分かるでしょう。

  • 破水:赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、羊水が外に流れ出します。多くの場合は陣痛がピークにさしかかる頃に起こりますが、陣痛が始まる前に破水することもあり、これを前期破水といいます。温かいお湯が流れてくるように感じるママもいれば、少量の尿漏れのように感じるママもいます。破水をしたらすぐに入院が必要です。

  • 強くて規則的な陣痛:ママの子宮の収縮の頻度が多くなってきたら、下腹部や足の付け根、肛門辺りに圧迫感を感じます。陣痛の間隔が短くなり、ピークの時間が長くなります。3分ぐらいの間隔で45秒ぐらい続きます。陣痛の間隔を計ることで、分娩の進み具合が分かりますね。

  • 足のこむら返り:こむら返りを感じることがあります。

  • 腰や背中の下の辺りが痛み、押される感じ: おなかの痛みが腰や背中の下の方に移ってきます。

  • 吐き気:陣痛の痛みが強くなってきたら、吐き気を感じるママもいます。

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本陣痛と偽陣痛

陣痛が始まったかのように感じても、それは本当の陣痛ではない場合も。では、本陣痛とブラクストン・ヒックス収縮とも呼ばれる偽陣痛をどのように見分けるのでしょう?本陣痛と偽陣痛/前駆陣痛の違いを下にまとめました。

本陣痛偽陣痛/前駆陣痛
陣痛が規則的になり、次の陣痛がいつ来るのかなどの予測がつきます。出産までに徐々に間隔が短くなり、痛みが強くなっていきます。子宮の収縮が不規則で、次の陣痛をいつ感じるかもわかりませんく。間隔が短くなるわけでもありません。10分毎、6分毎、2分毎、8分毎と言うように不規則にやってきます。
陣痛の痛みや頻度、時間が増してきます。痛みが強くなることはなく、間隔や時間に変わりがありません。
体の後ろの方から痛みを感じ、体の前部分や足の付け根の下の方に広がってきます。体の前の部分で子宮の収縮を感じます。
動きや姿勢を変えても、治まったり消えたりしません。動きや姿勢を変えることで、子宮の収縮は治まっていきます。
子宮頚管が柔らかくなり、子宮口が開いていきます。子宮の下部を広げ、子宮頸管を柔らかくさせる働きがあります。

 

早期陣痛の段階では何をしたらいいの?

まだ、陣痛が始まったばかりで多くの症状が現れていない場合、すぐに病院に行く必要はありません。分娩は時間と体力の勝負。この時期はお家にいても安全ですし、むしろママは家にいるほうが快適に感じるはずです。ただ、心配なことがあれば、すぐにお医者さんに連絡しましょう。

陣痛が始まったことに気がついたら、ワクワク感や心配や不安など、ママは色々な感情を感じるかもしれません。冷静に症状を観察し、落ち着いて対処しましょう。パパやお友だちに陣痛の時間や間隔を書きとめてもらったり、病院に連れて行ってもらえるように側にいてもらいましょう。

不快な症状を抑える効果的な方法はあるのでしょうか?以下の方法を試してみましょう。

  • 歩いたり、階段の昇り降りをしましょう。

  • 腰や背中をマッサージしてもらったり、両親学級で習った呼吸法を試してみましょう。

  • 同じ姿勢で過ごさず、椅子に座ったり、人や壁に寄りかかったりしてママの楽な姿勢を探しましょう。

  • お風呂に入って髪を洗ったり、化粧は落としましょう。

お医者さんに連絡するのはいつ?

陣痛が始まったと思ったら、お医者さんに連絡して指示を仰ぎましょう。以下の症状に気がついたら、お医者さんや出産をする施設に連絡しましょう。

  • 陣痛が来る前に破水したとき、特に水が緑色や茶色だったり、匂いのある時。破水した場合は、ほっておくと赤ちゃんが細菌に感染する心配があるので、清潔なナプキンを当てるなどの処置を忘れずに。お風呂にはいってはいけません。

  • 血の混じったおりものが出てきて、下腹部に痛みがある。粘液栓とは違う。

  • 頭痛や視力の低下、急に体の張りが起きたとき。また、急な体重増加や尿量の減少、まぶたや手がはれぼったくなったり、足のすねや甲を指で押すとへこんだままになったりするのは、妊娠高血圧腎症のことも。

  • 陣痛の間隔がなく、痛みが続く。

  • 赤ちゃんの動きが感じられない。

  • 早産かもしれない。

よくある質問

分娩が近い、または分娩が始まったと言うサインには以下のものがあります。

  • 巣づくり本能:出産開始の数日前や数週間前に突然、元気が出てきて、赤ちゃんのために部屋をきれいにして準備しよう!とします。これが巣づくり本能です。巣づくり本能は妊娠中、いつでも現れる可能性がありますが、出産前に巣づくり本能が出てくるママが多いです。あまり無理はしないでくださいね。
  • 赤ちゃんが下がってくる:おなかの中の赤ちゃんが、出産に向けて子宮の出口に下がってきます。ママの胃や胸の圧迫感が取れて、胃もたれや胸やけの症状がなくなります。食事がとりやすくなり、呼吸も楽になります。
  •  軽い陣痛: 5~15分ぐらいの間隔で、1分から1分半ほど続く軽い陣痛を感じることも。背中に感じていた痛みや圧迫感が子宮に移ってきます。早期陣痛の最後の方には、陣痛の間隔は5分ほどとなっています。
  • 子宮頸管が短くなる: 赤ちゃんが通る子宮頚管が子宮筋の収縮や赤ちゃんが下りてくることで短く、柔らかくなって、開きやすくなります。軽い陣痛を感じるママもいますが、この時点ではまだ何も感じないママもいます。
  • おなかの張り:子宮が不規則に収縮します。子宮口が全開になるまで骨盤が広がります。ります。子宮口は最初は徐々にゆっくりと開いて行きますが、本格的な陣痛が始まると急速に開いていきます。
  •  粘液栓が出てくる:血の混じったゼリー状の粘液の塊に気がついたママもいるでしょう。分娩が近づくと、粘液栓が外に出てくることがあります。これはおしるしと呼ばれるもの。粘液栓はママの妊娠中、子宮口をふさいで蓋の役割を果たしています。 分娩の始まる数日前に粘液栓が出てくるママもいれば、気がつかないママもいます。

おわりに

出産予定日が近づいてきたら、分娩開始のサインに気をつけましょう。バースプランはバッチリですか?まだバースプランを書いていないママは、バースプランの書き方を参考にしましょう。

お産が始まる前には、何らかのサインがあるものです。おなかの中の赤ちゃんがどのような合図を送ってくれるか楽しみですね。陣痛・入院バッグ に必要な物を詰めましたか?後は分娩のサインを待って、タイミングが来たらバッグを抱えて病院へ向かいましょう。

分娩の開始についてももうバッチリですね。予め知っておくと、分娩が始まっても余裕を持って対応できますね。ママの妊娠期間ももう終わり。赤ちゃんに会えるのはもうすぐです!

本記事の内容について
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