あかちゃんの敏感な肌を日焼けから守る方法を知ろう
寒さが和らいで、ポカポカと春の陽気を感じるようになると、赤ちゃんをベビーカーに乗せてお散歩に出かけたくなりますね。でも、敏感でデリケートな肌の赤ちゃんの紫外線対策は大丈夫でしょうか?紫外線に気をつけないといけないのは、大人だけではありません。肌の薄い赤ちゃんが日焼けをしないようにするにはどんな対策があるでしょうか?赤ちゃんとのお散歩やプールに入れるときは何に気をつけたらいいのでしょう?赤ちゃんや子どもの日焼け止め対策について、一緒に見ていきましょう。
日焼けには良い面も悪い面もある
オゾン層の破壊による紫外線の増加や皮膚ガンの発生率の上昇で、紫外線対策が注目されていますね。日焼けは日光の紫外線が原因。肌が直射日光や紫外線をたくさん浴びすぎると、以下のような健康への悪影響が出てくると考えられています。
肌の免疫低下につながる
将来、良性腫瘍やがんができやすくなる
目へのダメージ(白内障、翼状片、網膜のメラノーマというがんなど)が起こりやすくなる
シミやしわの原因になる
日焼けするのは大人だけではありません。しっかりと日焼け対策をしないと、赤ちゃんや子どもも大人と同じように日焼けしてしまいます。外からの刺激を受けやすい、敏感でデリケートな肌を持つ赤ちゃん。健康な肌を保つために、ママやパパは小さい頃から、赤ちゃんの日焼けや紫外線対策に気をつけてあげましょう。
一方、紫外線には肌でビタミンDを合成してくれると言うありがたい面もあります。ビタミンDは体内へのカルシウムの吸収を助ける役割をする大切な栄養素。ママの母乳だけを飲んでいる赤ちゃんやアレルギーなどで食事制限をしている赤ちゃんは、骨の成長 に必要なビタミンDが不足しがちです。ビタミンDが不足すると、体がカルシウムを吸収できなくなるので、けいれんを起こしたり、骨のカルシウムを溶かして補おうとするので、骨がもろくなることもあります。1歳を過ぎて歩き始める頃から骨が曲がりやすくなりO脚になってしまうことも。妊娠中のママや授乳中のママはビタミンDを多く含むしいたけなどのキノコ類や、鮭、うなぎ、サンマやヒラメなどの魚類を積極的に食べるようにしましょう。小さな子は元気いっぱいに外で遊びたがるもの。紫外線対策を十分に取り、適度に太陽の光を浴びることも、ビタミンDの合成に大切ですね。(1998年から、母子健康手帳から「日光浴」を勧める記述が消え、「外気浴」という表示のみに変わっています。)
赤ちゃんの日焼け止め対策や紫外線対策はどのようにすればいいの?
これまでの研究で、紫外線を浴びすぎると健康に影響があることが明らかになっています。これまでは日焼けを防止するという意味で、一般名称であるサンケア®という表現を用いることが多かったのですが、日焼け以外にもしわやシミ、皮膚がんや白内障など健康への悪影響があることも判ってきました。紫外線が主な原因であることが明らかになり、最近では、紫外線から肌を守るためのスキンケアと言う意味のUVケアという表現が使われるようになっています。 紫外線がどれぐらい強いかは、場所や時間帯によって変わってきます。紫外線は1年の中では4月から9月に強くなり、1日のうちで最も紫外線が強いのが、午前10時から午後2時ぐらいまでの間と覚えておきましょう。お出かけしたり、外で遊ぶ時にはこの時間帯は避けるようにしたいですね。太陽の光の中に含まれる紫外線の量は、晴れの時と比較して、うす曇りの場合は約80~90%、曇りの場合は約60%、雨の場合は約30%の量になりますので、曇りの日でも紫外線を忘れずにいたいですね。また、夏でないからと安心していてもいけません。紫外線は直接太陽から来るだけではなく、空気中や地面に反射したものもあります。冬に降る新雪で80%、砂浜で10~25%、アスファルトで10%、水面で10~20%と紫外線は反射します。雪の降った日に外に出かける時にも、日焼け止め対策を忘れないようにしましょう。
赤ちゃんや子どもが日焼けをしないよう、パパやママは以下のことに気をつけましょう。
外で遊ぶ時間を決めましょう:午前10時から午後2時ぐらいまではできるだけ、外で遊ばせずに、屋内にいるようにしましょう。赤ちゃんや子どもの肌は薄いので、紫外線によるダメージが強いです。
木の下などの日陰で遊ばせましょう:日陰に入ると日なたの約50%に紫外線が減ると言われています。テントやパラソルなどを利用して、直射日光に当たらないように気をつけてあげましょう。公園などで遊ぶ時には、木の下などの日陰を探して遊ばせるようにしましょう。
帽子をかぶり、サングラスを使う、肌を露出させない:つばの広い帽子をかぶり、UV効果のあるサングラスをつけ、肌を露出させないようにしましょう。日よけのあるベビーカーを購入したいですね。服の色は濃い色のほうが紫外線を吸収しますが、熱中症を防ぐためには、白か淡い色のもので、織目や編目がしっかりした木綿かポリエステル・木綿の混紡素材のものを選ぶと良いでしょう。
日焼け止めクリームを忘れずに:デリケートで敏感な赤ちゃんや子どもの肌。赤ちゃんにも使える日焼け止めクリームもあります。やさしい使い心地のマイルドタイプのものを選びましょう。お店で購入する時には、低刺激、無添加・無香料・無着色の、石鹸で簡単に落とせるベビー用や子供用と表示されているものを購入しましょう。伸びがよくて塗りやすい、防御指数SPF15~35、PA++、海や山ではSPF20~40、PA++~+++が目安です。夏の暑い日にプールなどに行くときには、汗や水で落ちにくい、ウォータープルーフの日焼け止めクリームであればなお効果的ですね。手や足の甲、首の後ろ、抱っこひもから出ている肘や膝まわりを中心にムラのないようにまんべんなく塗り、2~3時間おきに塗りなおしましょう。顔に塗る場合は、適量を両手のひらにとり、軽くなじませた後、中心から外に向かって両手で優しく塗りましょう。デリケートな部分である目や口のまわりは避けるようにして塗るようにしましょう。
うっかり日焼けをしてしまったら?
どれだけパパとママが気をつけていても、赤ちゃんが日焼けをしてしまうと言うことはありますね。少しの日焼けだと油断していたら、皮膚が赤くなったり、ヒリヒリと傷んだりすることがあるので、ママとパパは十分に気をつけてあげましょう。また、炎症が重症化すると、水ぶくれや脱水症状、高熱が出たり、熱射病につながってしまうこともあります。そのような時には、どのように対応すればいいのでしょうか?お家でできる赤ちゃんが日焼けした時の対処法を調べてみましょう。
肌が赤くなって、ヒリヒリする:紫外線で肌が炎症を起こしている状態です。日焼け部分が熱くなっていて、ヒリヒリと痛む時は、濡れタオルや氷水入りのビニール袋をタオルで包み、なるべく早く日焼けした部分にあてて、しっかりと冷やしましょう。
日焼けした箇所を冷やしても赤みやヒリヒリとした痛みが残る:日焼けした部分を冷やしても、赤みや痛みが続く場合は、ステロイド軟膏を塗るのも1つの方法です。日焼けは肌の炎症なので、強い抗炎症作用を持つステロイド軟膏で症状が改善することもあります。赤ちゃんの肌にも安全に使用できるよう、ステロイド軟膏を購入する時には、薬剤師に赤ちゃんの年齢や症状を伝え、症状に応じた適切なランクの薬を選んでもらいましょう。
日焼けした範囲が広く、水ぶくれ、皮膚が腫れあがっている、発熱、倦怠感、頭痛、嘔吐などの症状がある:このような時はすぐにお医者さんに連絡を取りましょう。お医者さんに到着するまで、日焼けした部位を冷やしましょう。
ポカポカといい天候になってきたら、赤ちゃんや子どもと一緒に外にお出かけしたくなりますね。環境や健康の面からも紫外線への関心は高まってきています。紫外線には良い面も悪い面もあります。紫外線を正しく知り、赤ちゃんとお散歩に出たり、子どもを外で遊ばせるときには、心配し過ぎない程度の紫外線対策を忘れないようにしましょう。
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