乳腺炎症状の原因とその治療法を教えてください。

「おっぱいが張って痛みがある。もしかして乳腺炎の症状かも?」「乳腺炎になったら赤ちゃんにおっぱいをあげてはいけないの?」こんな心配や疑問を持つママもいるでしょう。乳腺炎は、おっぱいに痛みや、しこりのようなものを感じることが特徴としてあげられます。授乳している期間中、10~30%のママが乳腺炎にかかると言われています。放置しておくと悪化して重症になることもあるので、乳腺炎の症状かな、と気になれば、すぐに産婦人科の先生に相談しましょう。乳腺炎の症状や原因、乳腺炎にならないためにできること、どのように治療していくのかを見ていきましょう。

乳腺炎とは?

乳腺炎には大きく分けて2種類あり、非感染性(うっ滞性)と感染性(化膿性)に分けられます。 非感染性乳腺炎:赤ちゃんが上手におっぱいを飲めていない、おっぱいを飲む力が弱いなどが原因で、母乳が乳腺に詰まってしまうことで発症します。 感染性乳腺炎:赤ちゃんがおっぱいを飲む力が弱い場合や、おっぱいを飲むときに乳歯で乳首を噛んで傷つけてしまうことで、乳輪や乳頭からばい菌が入り、乳腺で増殖して炎症を起こします。

乳腺炎の症状

乳腺炎は、産後12週間以内に発症することが多いと言われていますが、実際のところ、授乳期間中のどの時期にでも起こりうる症状です。乳腺炎になるとどのような症状が現れるのでしょうか?以下にまとめてみました。

非感染性(うっ滞性)乳腺炎の代表的な症状

  • おっぱいの痛み

  • おっぱいの赤み (V字型パターンが現れる)

  • 授乳中におっぱいの痛みや焼けるような感覚がある (通常、片方のおっぱいのみが痛くなる)

感染性(化膿性)の代表的な症状

  • 膿が出たりしこりができる

  • 疲労感を感じる

  • 頭痛、高熱、関節の痛みなどの症状が出る

  • 発熱する場合もある

感染性乳腺炎になると、抗菌薬の投与が必要になる場合もあるため、乳腺炎になりかけているのかな、と不安に感じたら、産婦人科の先生に診てもらうようにしましょう。

乳腺炎の原因は?

乳腺炎になる原因にはどのようなものがあるのでしょう?代表的な原因を以下にまとめてみました。

  • 母乳が詰まっている: 授乳回数が少ないことや、赤ちゃんが上手におっぱいを飲めていないことで母乳が詰まっているのかもしれません。また、授乳方法が正しくなかったり、同じ姿勢で授乳をしていると、おっぱいに母乳が残ってしまいます。

  • 乳管の詰まり: 乳管が詰まって母乳が滞るのが原因と考えられています。赤ちゃんに頑張っておっぱいを吸ってもらいましょう。赤ちゃんが飲みきれない程母乳が出る場合は、搾乳しましょう。

  • 細菌: ブドウ球菌などの細菌が、 乳首の皮の亀裂や乳管の穴を通って乳管に侵入して発症します。母乳パットを不潔にしていると、乳腺炎を引き起こす細菌の繁殖地となる場合もあるので、清潔に保ちましょう。乳頭の傷などもばい菌が入る原因になります。稀に、細菌以外にもカビ菌が原因になる場合もあります。

  • ストレスや疲労:夜中の授乳でママが寝不足だったり、疲れたりしていませんか?ストレスがたまると乳腺が詰まりやすくなると言われています。休める時にはゆっくりと休むようにして、ストレスをためないように心がけましょう。

  • 乳管や乳管の閉塞、乳房への過剰圧迫:ワイヤー入りのブラジャーや、サイズの小さいブラジャーをつけていませんか?サイズの合っていないブラジャーはおっぱいを圧迫してしまうこともあります。授乳中であるママのサイズに合ったブラジャーを使うようにしましょう。

乳腺炎になったらどんな治療をするの?

乳腺炎に気づいたら、早めの治療が大切です。乳腺炎になったら半日~1日以内にしっかりと排乳してお医者さんに相談するようにしましょう。乳腺炎の治療には通常、解熱剤や抗菌薬が処方される場合もあり、授乳中でも安心して飲める薬を出してくれますので、ママは安心して授乳を続けてくださいね。ご家庭でできるケアは、乳頭を清潔にすることと、しっかり排乳させてあげることです。

乳腺炎の予防法は?

乳腺炎は授乳中のママによくある症状ですが、まずは母乳が詰まらないようにすることが大切です。ママがおっぱいをあげる時の授乳ポジション、赤ちゃんが正しく乳首をくわえてしっかりと飲んでいるかを、もう一度確認してみましょう。

  • 両方のおっぱいの母乳が空っぽになるよう、授乳中に姿勢を変えてみましょう。

  • 赤ちゃんがもう片方のおっぱいに移る前に、これまでに飲んでいたおっぱいの母乳が出し切れているかを確認しましょう。

  • 赤ちゃんのお腹が空いている時はできるだけ頻繁に授乳を行い、 授乳の時間を空けすぎないようにしましょう。赤ちゃんが母乳を飲みたくないようであれば、搾乳して排乳するのも1つの方法です。詰まった母乳を早く出すようにしましょう。

  • おっぱいの母乳を出し切るために温かく濡らしたタオルや湿布をおっぱいにあてたり、授乳前に温かいシャワーを浴びたりしてみましょう。

  • おっぱいマッサージをして、母乳がよく出るようにしましょう。但し、自己流のおっぱいマッサージは悪化する可能性もあるので、お医者さんや助産師さんに相談してから始めるようにしましょう。母乳が十分でないうちは、乳頭を保護するために、搾乳は10分以内にしましょう。母乳パッドは、ばい菌が繁殖しやすいので、必ず清潔にしましょう。

正しい授乳ポジションがよく判らない、というママは、パンパースの5つの授乳姿勢とアドバイス を参考にしてみてくださいね。 また、授乳の間に、両方のおっぱいの母乳を出し切れるよう、授乳相談室にアドバイスを求めたり、授乳に関する正しいテクニックなどを助産師さんから教わるのも良いアイデアですね。

乳腺炎は授乳中のママによくある症状で、主な原因は母乳の詰まりです。正しい授乳ポジションでおっぱいをあげるようにしましょう。また、赤ちゃんがきちんとおっぱいを口に含んで、上手に飲めているかも確かめてくださいね。母乳が溜まらないよう、赤ちゃんが欲しがるだけおっぱいをあげるのも良い方法ですが、母乳が出すぎてしまう場合は割り切って排乳しましょう。乳腺炎になりかけているかもしれない、と気になる症状が現れたら、悪化することのないよう、すぐにお医者さんに相談するようにしましょう。

本記事の内容について 本記事に掲載されている情報は、信頼のおける医療機関や政府機関からの情報にもとづいたものです。 参考及び参照のリンクにつきましては、以下をご参照ください。 また、掲載された内容につきましては十分な注意をはらっておりますが、医療従事者などの専門的な意見に取って代わるものではありませんので、ご注意ください。 診断や治療法につきましては、必ず 医療従事者などの専門的な意見を聞いていただきますよう、お願い申し上げます。

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About 杉山 剛

静岡県裾野市出身。 1998年に山梨医科大学(現山梨大学医学部医学科)卒業後、同年5月に山梨大学医学部小児科入局。以後、山梨大学医学部救急部、山梨県立中央病院NICUなどの勤務を経て、2009年11月 山梨大学医学部小児科学講座助教、2014年6月 山梨大学医学部小児科講座学部内講師を担当。2017年4月より社会医療法人杏嶺会一宮西病院小児科部長を務めた後、2023年7月に日本初となる小児の睡眠とアレルギーの専門医院である「尾張こどもの睡眠・呼吸・アレルギークリニック」を開業。 受賞 ...

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