赤ちゃんが起きない!起こしてもいいの?

赤ちゃんがぐっすりと気持ち良さそうに寝ている。気持ち良さそうに眠っている赤ちゃんを見ると、ママやパパも安らぐひとときですね。でも、赤ちゃんが寝すぎているのも心配ですね。赤ちゃんの眠りの構造、赤ちゃんがたくさん寝る時に気をつけたいこと、赤ちゃんを起こす方法などを学びましょう。

赤ちゃんの眠りとは?

「寝る子は育つ」と言われます。とは言え、あまりに赤ちゃんが寝すぎていると、病気なのでは?寝てばかりで母乳やミルクは足りているのかしら?おむつ交換をしないでおむつかぶれにならないかしら?など、心配になりますね。 大人は、一晩中ずっと熟睡しているわけではなく、浅い睡眠と深い睡眠を周期的に繰り返しています。生まれたばかりの赤ちゃんは昼夜の区別がつかず、眠りと目覚めの周期を短く不規則に繰り返す多相性睡眠で、3~4時間おきに目覚めと睡眠を交互に繰り返しながら1日に16時間ほど眠ります。この時期の赤ちゃんは少しの刺激でも目を覚ましてしまいます。でも、大きくなるにつれて授乳の周期を中心にした睡眠リズムができますし、眠りには個人差がありますので、ママやパパは心配しないでくださいね。

成長と共に日中に起きている時間が長くなり、徐々に昼夜のリズムと睡眠のリズム が整ってきます。体内時計を働かせるためにも、朝起きたら太陽の光を浴びさせてあげるようにしましょう。

生後3〜4ヵ月頃には昼夜の区別がかなりはっきりしてきて、夜は6時間以上ほどまとまって眠るようになります。生後7ヵ月前後になると昼寝が午前と午後1回ずつの1日2回になり、生後8ヵ月頃には睡眠のリズムが大人と同じようになる赤ちゃんもいます。1歳頃までには睡眠のリズムが確立して、1歳半頃になるとほとんどの赤ちゃんは昼寝が午後1回になっていきます。

ママやパパも規則正しい生活を心がけて、赤ちゃんの起きる時間や睡眠、授乳やお風呂の時間などを昼夜のリズムに徐々に合わせましょう。赤ちゃんが寝ているから、と音をたてないようにしなければと考える必要もありません。気持ち良く寝ている赤ちゃんを無理に起こすこともありませんが、昼寝をさせ過ぎて赤ちゃんの生活リズムが乱れることにならないように気をつけましょう。赤ちゃんの生活リズムが整っていくと、ママやパパも育児がより楽になります。赤ちゃんにとっても、ママやパパにとっても、朝はしっかり起きて、太陽の光を浴び、体内時計をリセットすることが大切です。

赤ちゃんが寝すぎ。大丈夫なの?

赤ちゃんの睡眠時間には個人差があります。生まれたばかりの赤ちゃんは昼と夜の区別がつかない多層性睡眠で、寝たり起きたりを繰り返していますが、赤ちゃんがよく眠るのは、元気に育っている証拠でしょう。体重が順調に増えていて、母乳やミルクをよく飲んでいれば、あまり心配せずに寝かせてあげましょう。ママも赤ちゃんと一緒に眠って、疲れた体を休めたいですね。

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寝すぎの赤ちゃんを起こしても良いの?注意することは?

気持ち良さそうにぐっすりと眠っている赤ちゃんを起こすのは気が引けるし、迷ってしまいますね。赤ちゃんが眠っている時は、ママが疲れた体を休めることができる時です。でも、もうとっくに授乳やおむつ交換の時間を過ぎてしまっている!おっぱいが張って辛い!おむつかぶれになっていないか、赤ちゃんに脱水症状が出ていないかも心配です。また、長時間、寝かせたままにしておくと、赤ちゃんの生活リズムが変わってきてしまいます。 基本的には体重 が順調に増えて、おしっこもちゃんと出ているなど、赤ちゃんが順調に成長していれば、眠っている赤ちゃんを無理に起こすことはないでしょう。でも、赤ちゃんが長く寝ている時、ママとパパは定期的に赤ちゃんの以下の様子に気をつけましょう。

  • 体調の確認:ぐったりしていませんか?

  • 呼吸を確認:ちゃんと息をして眠っていますか?呼吸が早かったり、止まっていたりしませんか?呼吸音を聞いてしっかりと確認しましょう。

  • いびき:口を開けたまま眠っていたり、いびきをかいていたりしていませんか?毎晩いびきをかく場合は、赤ちゃんでも睡眠時無呼吸の可能性があります。

  • 体温:熱が出て辛そうにしていませんか?

  • 顔色:顔色が悪く、唇が紫色になるなど、脱水症状や低血糖の症状は出ていませんか?

  • うつ伏せ寝になっていないか:赤ちゃんがうつ伏せで寝ていると、赤ちゃんの乳幼児突然死症候群(SIDS)や窒息死の原因になることがあります。1歳になるまでは、寝かせるときは仰向けに寝かせましょう。うつぶせの練習をする時は、赤ちゃんを一人にせず、必ず見守ってあげましょう。

  • 毛布やタオルが顔にかかっていない:布団や毛布などが赤ちゃんの顔にかかって、呼吸を邪魔していませんか?しっかりと確認しましょう。

赤ちゃんを起こす

気持ちよく眠っている赤ちゃんを起こす良い方法はあるのでしょうか?眠っている赤ちゃんは、少し刺激を与えると、簡単に目を覚ましてくれます。赤ちゃんが気持ち良く目を覚ましてくれる方法を色々と試してみましょう。

  • 声をかけてみる:ママやパパの優しい声で赤ちゃんを起こしてあげましょう。歌を歌うのも良いアイデアですね。

  • カーテンを開けて太陽の光を取り入れる

  • 掛けている布団を外して、薄着にする

  • おむつを変える:寝ている時だと簡単におむつ交換ができますね。

  • おっぱいを唇に近づけてみる:おっぱいを吸うために起きてくれるでしょう。

  • 顔や足の裏をくすぐってみる:赤ちゃんの肌に刺激を与えてみましょう。

赤ちゃんが寝すぎ。お医者さんに診せるべき?

赤ちゃんが寝すぎるからと言って、そのことだけでお医者さんに診せることはないでしょう。ただ、顔色が悪い、呼吸が早い、暑くもないのに汗が多い、ぐったりして反応が鈍いなどの時は、脱水症状や感染症などの病気の場合もあります。赤ちゃんの様子がいつもと違う場合や、いびきをかいたり、口をポカンと開けて眠っていることが多い場合は、睡眠時無呼吸の可能性もありますので、かかりつけのお医者さんに相談しましょう。

なかなか眠らない赤ちゃんを持つママやパパも大変ですが、眠りすぎる赤ちゃんを持つママやパパにも心配なことがありますね。基本的には、赤ちゃんが寝ている時間が長くても、機嫌が良く体重が順調に増えていれば問題ないでしょう。ただ、あまりにも赤ちゃんが長時間寝ている時には、定期的に赤ちゃんの様子を気にしてあげてください。赤ちゃんが気持ち良く寝ている間、ママやパパも育児で疲れた体を休めるようにしてくださいね。

本記事の内容について 本記事に掲載されている情報は、信頼のおける医療機関や政府機関からの情報にもとづいたものです。 参考及び参照のリンクにつきましては、以下をご参照ください。 また、掲載された内容につきましては十分な注意をはらっておりますが、医療従事者などの専門的な意見に取って代わるものではありませんので、ご注意ください。 診断や治療法につきましては、必ず 医療従事者などの専門的な意見を聞いていただきますよう、お願い申し上げます。

About 杉山 剛

静岡県裾野市出身。 1998年に山梨医科大学(現山梨大学医学部医学科)卒業後、同年5月に山梨大学医学部小児科入局。以後、山梨大学医学部救急部、山梨県立中央病院NICUなどの勤務を経て、2009年11月 山梨大学医学部小児科学講座助教、2014年6月 山梨大学医学部小児科講座学部内講師を担当。2017年4月より社会医療法人杏嶺会一宮西病院小児科部長を務めた後、2023年7月に日本初となる小児の睡眠とアレルギーの専門医院である「尾張こどもの睡眠・呼吸・アレルギークリニック」を開業。 受賞 ...

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