赤ちゃんや新生児の発熱

赤ちゃんはよく熱を出したり、病気になったりします。赤ちゃんにとっても大変ですが、特に熱の原因が判らないと、ママやパパも焦って、心配になりますね。
赤ちゃんが熱を出したらどんな症状に気をつけてあげなければならないのか、何℃の熱を高熱と言うのか、赤ちゃんの熱を下げるためになにをすればいいのか、一緒に見ていきましょう。
熱とは?
熱が出たからと言って、必ずしも赤ちゃんが病気になっていると言う訳ではありません。熱が出るのは何かの症状、一般的に感染症が原因であることが多いです。
熱が一時的に上がるのは、赤ちゃんが体に入ってきた細菌やウイルスと戦っている証拠。赤ちゃんの白血球が増えて、細菌と戦っているのです。
赤ちゃんが熱を出す原因には色々なものが考えられます。中耳炎、風邪の症状、扁桃炎、喉頭炎などの 赤ちゃんがかかりやすい病気 が原因のこともあれば、心配なところではインフルエンザ、肺炎、あるいは髄膜炎などが原因のこともあります。なにが原因で熱が出ているのかを見極めることが大切ですね。
赤ちゃんが熱を出しているのかを確かめるのはちょっと難しいかもしれません。でも、赤ちゃんの様子がいつもと違っておかしかったり、赤ちゃんの熱が上がっていると感じたら、熱を測ってみましょう。
いつもと様子が違う、いつもほど元気じゃないなどの変化は、熱の高さそのものよりも赤ちゃんの健康状態を示すバロメーターとなります。例えば、 赤ちゃんがいつもよりぐずっていたり、いつもより寝ている時間が長かったりするとき。熱と一緒にこれらの症状が現れたら、赤ちゃんが何らかの病気にかかっている可能性があります。
何℃の熱を高熱が出ていると言うの?
1日の間に赤ちゃんの体温が大きく変化するのはよくあること。38℃やそれ以上の熱が出ているようであれば、要注意と言えるでしょう。
赤ちゃんの月齢別、熱や高熱の目安はこちらから:
新生児の熱とは?
赤ちゃんが生後2ヵ月あるいは2か月未満 で、熱が38℃以上まで上がっているようであれば、熱が出ているサインです。すぐにかかりつけのお医者さんに連絡をして、細菌感染や病気にかかっていないかを診察してもらいましょう。
新生児の高熱とは?
赤ちゃんが生後3か月から生後6か月 で38℃あるいはそれ以上の熱が出ている、 あるいは生後6か月を過ぎていて39℃あるいはそれ以上の熱が出ている時は、高い熱が出ていると言えるでしょう。赤ちゃんに高熱の症状が見られたら、すぐにかかりつけのお医者さんに連絡するようにしましょう。
赤ちゃんの熱の測り方
赤ちゃんが熱を出していると思ったら、デジタル体温計を使って熱を測りましょう。赤ちゃんのおでこにママの手を当てて測るのは、必ずしもいい方法とは言えません。
体温計には様々なタイプが出ています。メーカーによって使い方も変わってきますので、説明書の指示通りに使うようにしましょう。かかりつけのお医者さんにおススメの体温計や使い方を聞くのも1つの方法ですね。
耳式体温計、おでこで測る体温計などを使って測る場合は、38℃あるいはそれ以上だと熱がある目安と知っておきましょう。生後2か月未満の赤ちゃんにはすばやく測れる赤ちゃん用の体温計がおススメです。
わきの下で測るタイプでは、37℃あるいはそれ以上だと熱が出ていると言えるでしょう。体温変動を予測して体温を計算し表示するために正確性には欠けるところがありますが、これしか熱を測る方法がない時には、少なくとも赤ちゃんに熱があるかどうかの目安にはなるでしょう。
赤ちゃんの熱を下げる方法
赤ちゃんに熱がある時の対処法をまとめてみました。
部屋を涼しくしてあげましょう。赤ちゃんがいる部屋が涼しくて快適かどうかをチェックしましょう。扇風機などを使って部屋の隅々まで涼しい空気が行き届くようにしましょう。
布団をかけすぎたりせずに、薄着にさせる。熱が赤ちゃんの体内にこもらないように熱を逃がしてあげましょう。
しっかりと水分補給を!赤ちゃんが十分に水分を取っているか、確認しましょう。
薬を飲ませる。お医者さんが解熱剤を処方することもあります。解熱剤については、次の項目でさらに詳しく見ていきましょう。
熱が 風邪や水疱瘡などの感染症による場合もあります。このような時は、赤ちゃんを他の子供やお年寄りなどの免疫力が低い人には近づけないように注意しましょう。
解熱剤について
熱が出ているからすぐに解熱剤が必要と言うことではありません。解熱剤が必要かどうかは赤ちゃんの食欲、水分摂取の状態、元気があるかないかなどの状態にもよるでしょう。解熱剤を飲ませる必要があるかどうかについては、かかりつけのお医者さんに相談して、1回に与える量や飲ませる時間間隔などをしっかりと把握しておきましょう。
お家の薬箱に常備している 市販の解熱剤を赤ちゃんにあげてもいいの、と疑問に思うママもいることでしょう。残念ながらこれらの解熱剤は赤ちゃんや幼児には適していません。かかりつけのお医者さんが赤ちゃんに飲ませても大丈夫と勧める解熱剤だけを飲ませるようにしましょう。
特に赤ちゃんが生後2ヶ月未満の場合、投薬については必ずかかりつけのお医者さんに相談するようにしましょう。
解熱剤の量については、必ず使用上の注意を守るようにしましょう。投与量は通常、お子さんの体重や年齢によって変わってきます。薬の量はお家のスプーンなどを使うのは避けて、商品に添え付けの計量容器で測って飲ませてあげてくださいね。
こんな時は時間外でも病院へ
以下の症状が見られる場合、すぐにかかりつけのお医者さんに連絡をしましょう。
生後2か月以下で38℃以上の熱が出ている時(緊急)。
生後3-6か月の場合、38℃以上の熱が出たら。
生後6か月以上の場合は、39℃以上の熱が出たら。
赤ちゃんの熱が24時間以上持続して出ている場合、または赤ちゃんに熱以外にこれらの症状が出ている場合はお医者さんに連絡をしましょう。
嘔吐
下痢
激しく泣く、あやしても泣き止まない
ひどくぐずる
元気がない
唇、舌や爪の色が紫色になっている
頭に凹みや、パンパンに腫れた部分がある
首に痛みがある
ぐったりしている
呼吸がおかしい
よだれが出ている
けいれんする (熱性けいれんについては下に詳しく出てきます。)
熱性けいれんとは
生後6ヶ月から5歳ぐらいの幼児の発熱時に熱性けいれんと呼ばれるけいれんの症状が現れることがあります。熱性けいれんは通常、数秒から1分ぐらい続きます。
突然に熱性けいれんの症状が現れたら、ママやパパは驚いてしまいますね。でも、熱性けいれんは命にかかわるものではなくほとんど数分で収まりますので、慌てないで対処するようにしましょう。
熱性けいれんの症状:
いつもと様子が違う、手足をかたくして突っ張っている、ピクピク震える、白目をむく
意識がなく、反応がない
けいれんの最中に嘔吐したりおしっこを漏らす
いつもよりも肌の色が濃い
赤ちゃんに熱性けいれんの症状が現れたら:
ベッドや床に寝かせ、危ないものが近くにあれば遠ざけましょう。
体は横向きにして、吐いたものをのどに詰まらせないようにしましょう。
首や頭にかかる衣服をゆるくしてあげましょう。
呼吸に問題がないか、顔色が紫になっていないかを確認しましょう。呼吸がおかしい時は、すぐに救急車を呼びましょう。
けいれんが15分以上続いている時は、すぐに救急車を呼びましょう。
やってはいけないこと
口の中に物を突っ込まない
体を押さえつけない
解熱剤をあげない
水風呂やぬるま湯にいれない
赤ちゃんに熱性けいれんの症状が現れたら、できるだけ早くかかりつけのお医者さんに知らせるようにしましょう。
熱と間違えやすい症状
歯の生え始めの時期に赤ちゃんに少し微熱が出ることがありますが、これは病気が原因の熱ではありません。歯の生え始め についてもっと知っておきましょう。
熱中症の症状もよく熱が出ていると間違われます。赤ちゃんは体が小さくて体温調節が上手にできません。暑くて風のない日に服を着させすぎたり、夏の海辺などの炎天下、猛暑で気温が高くなっている車内 などでは特に気をつけてあげるようにしましょう。赤ちゃんに熱中症の症状が見られぐったりしている時は、すぐに救急車を呼びましょう。
よくある質問
赤ちゃんの熱は下がるの?
赤ちゃんに熱が出ても、通常、2~3日で赤ちゃんの熱は平熱まで下がるでしょう。
赤ちゃんが発熱。いつ、お医者さんに連れて行く?
新生児で38℃以上の熱が出ている時は、早めの対応が重要になります。お医者さんにすぐに連絡をするようにしましょう。熱だけでなく新生児がぐずる、頭に凹みや、パンパンに腫れた部分がある 、呼吸が苦しそう、唇が紫色になっている、けいれんの症状がでているなどの症状が見られたら、すぐにかかりつけのお医者さんに連絡を入れましょう。
赤ちゃんの熱を下げる方法は?
赤ちゃんの熱を下げる方法をまとめてみました。
室内の温度を下げる、涼しくする
薄着にさせる
十分に水分を取らせる
お医者さんの指示通りに薬を与える
赤ちゃんが熱を出したら、ママもパパも心配になりますね。でも、時間の経過と正しいお家でのケアで症状は治まってきます。何かあっても慌てることのないように判らないことや不安なことがあれば、お医者さんに相談するようにしましょう。すぐに赤ちゃんはいつもどおりに元気になるでしょう。
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