新生児のへその緒は取れたあとどうすればいい?

杉山 剛
医学博士 日本小児科学会指導医・専門医 日本アレルギー学会指導医・専門医 日本睡眠学会専門医

赤ちゃんのお世話をする親として、赤ちゃんのへその緒について、親として知っておくべきことがたくさんあります。 へその緒がいつ取れるのか、どのようにへその緒をケアするのか、知らないことが多いですよね。 赤ちゃんのおへそのお手入れを知っておくと、安心して過ごせます。 へその緒は乾燥させることが基本です。 おへそのケアを続けている中で、異常に気づくこともあります。 赤ちゃんのおへそのケアはとても大切です。 おへその状態をよく観察し、異常が見られたらすぐにお医者さんに相談しましょう。赤ちゃんのおへそやおへそのケアについて、ご紹介します。

へその緒とは?

へその緒は、胎盤と赤ちゃんをつなぐ重要な役割を果たしています。 妊娠中、赤ちゃんはへその緒を通じて酸素と栄養をママから受け取ります。 また、へその緒を通じて、老廃物や二酸化炭素を体の外に出します。妊娠初期 の妊娠2ヵ月頃に、へその緒が形成され始めます。

赤ちゃんが生まれたらすぐに、へその緒は専用のクリップ止められて、クリップの上の部分をカットします。 へその緒には神経がないため、赤ちゃんは痛みを感じません。 生後24~48時間後、カットした部分が乾燥し、出血の心配がなくなったら、クリップを外します。 アメリカ産婦人科医師会は、赤ちゃんが生まれた直後にへその緒をクリップで止める前に30〜60秒待つことを推奨しています。こうすることで赤ちゃんの出生時のヘモグロビン値が上がるので、最初の数ヵ月間、血液中の鉄分を強化すると考えられています。

へその緒が取れる時期は赤ちゃんによって違います。 通常、生後1〜2週間で、へその緒の根本が乾いて自然に取れます。 引っ張ったり、無理にちぎったりはしないでくださいね。 赤ちゃんのおなかには、クリップを外した後にへその緒の小さな部分が残ります。これが乾燥してしぼみ、硬くなると、色が黄色から茶色や黒っぽい色に変わっていきます。

へその緒はいつ取れる?

赤ちゃんのへその緒は、生後1~2週間で自然に取れることが多いですが、個人差があります。 遅くとも生後1ヵ月健診までには取れることが多いでしょう。1ヵ月経ってもとれない場合、お医者さんに相談してみましょう。

へその緒が自然に取れないこともあります。 何らかの原因があり、自然に取れないのでしょう。 お医者さんにおへその状態を確認してもらうと安心です。出血や細菌が入る原因になるので、無理に引っ張ったり、はがしたりしないようにしましょう。

新生児のへその緒が取れた後

へその緒が取れても、へその緒の小さな根元がおなかに残ります。

自然に乾くと、色が黄色から茶色や黒に変わり、最終的に縮んで取れます。へその緒が徐々に乾燥して外れた部分完全に乾燥するまでには、数日かかることがあります。

へその緒が取れた後、皮膚は徐々に治っていきます。 しかし、取れた後に皮膚がジュクジュクしたり出血が続く場合は、何かのトラブルであることも。こんな症状に気がついたら、早めにお医者さんに診てもらいましょう。

赤ちゃんのおへそが早く治るには?基本、乾燥させて清潔に保つことが大切です。 出血がないか、おへそが乾燥してきているか、おへその周りが赤くなっていないか、毎日、観察しましょう。へその緒が取れた後2週間経っても治らない、嫌な臭いや赤く腫れているなどの感染の兆候が見られるときは、すぐにお医者さんに相談してください。

以下、赤ちゃんのへその緒の回復の過程をイラストでご説明しています。

へその緒の感染症が見られる場合

赤ちゃんのへその緒が細菌などで感染することは非常に稀ですが、以下の症状が見られたら細菌やウイルスに感染していることもあります。早めにお医者さんに診てもらいましょう。

以下の症状が見られたら、早めにお医者さんに診てもらいましょう。

  • ジクジクした黄色い膿が出ている

  • おへその周りが赤くなっている

  • おへその周りが腫れている

  • 出血が止まらない、突起物がある

へその緒が取れた後にかさぶたのようなものや乾いた血、少量の出血が見られることがあります。 これはよくあることで、必ずしも細菌などの感染と言うわけではありません。ただし、出血が長い間続く場合は、早めにお医者さんに診てもらいましょう。

新生児のおへそ消毒と掃除

おむつを替えたりお風呂に入れる際に、赤ちゃんのおへその緒を清潔に保つこと、乾燥させることが大切です。

赤ちゃんのおへその緒のケア方法をご紹介します。

  • へその緒を清潔で乾燥した状態に保つ。 赤ちゃんのへその緒を清潔に保つには?専門家はおへその緒を乾燥させて空気に触れさせる「ドライケア」を推奨しています。 この場合、おへそを水で濡らしたり、軟膏をぬるのは避けましょう。 綿棒に消毒用アルコールでへその緒をきれいにする方法が取られていましたが、最近は何もせず、そのままにしておく方法も推奨されています。どうすればよいか迷ったら、お医者さんに相談してみましょう。

  • スポンジバスで清潔にする。 赤ちゃんのへその緒が取れるまでは、スポンジで体を拭いてあげましょう。 赤ちゃんを湯船には入れないで、スポンジやコットンで身体を拭いてあげる方法です。 この方法だと、へその緒が水に濡れてしまうことはないですね。 基本的には赤ちゃんの体調が悪い時などを除いて、毎日、スポンジバスなどできれいにしてあげましょう。 洗う部分だけを出して、赤ちゃんをタオルで包みましょう。 顔は石鹸を使わずに濡れた布で優しく拭いて、体は石鹸を使って洗いましょう。 おへその周りは、濡らしたコットンで優しく拭きます。 濡れてしまったら、自然乾燥させます。へその緒が自然に取れたら、赤ちゃんをバスタブやシンクでお風呂に入れてあげましょう。

  • おへそにおむつが当たらないようにするには?赤ちゃんのおへその緒におむつが当たらないように、おへその下でおむつを折り返すのもいい方法です。おへそがジクジクしていたら、おへそにガーゼをあてて、おむつを履かせるとよいでしょう。

  • 細菌感染の症状を見逃さない。 おへそから透明な液体や血が出たり、かさぶたが見られることがあります。嫌な臭いがある、周辺が赤く腫れている、おへそに触れると泣くなどの症状は見られる、赤ちゃんが熱を出した 場合は、すぐにお医者さんに診てもらいましょう。

  • へその緒を引っ張らない。 へその緒が自然に取れるのを待ちましょう。 たとえぶら下がっていても、引っ張ったりしないでください。自然に取れます。

  • 出血に注意する。 へその緒が自然に取れた後、少しの出血は問題ありません。ただし、出血が多い場合や長く続く場合は、お医者さんに診てもらいましょう。

  • おへそをコインやテープで覆わない。 おへその形を変えようとテープやコインで覆うと、かえって傷つけてしまうことがあります。

おへその状態や形が気になる場合や、臍ヘルニアかもしれないと感じたら、お医者さんに相談しましょう。

新生児のへその緒とおむつ

新生児のおむつ替え の際には、へその緒の周辺にも気をつけてくださいね。

おむつ替えの際にへその緒を意識することで、おへそが清潔で乾燥した状態を保つのに役立ちます。へその緒を保護するために、赤ちゃんにおむつを履かせる時には、おむつがおへそに触れないように折り曲げるとよいでしょう。

おむつを替えるときは、へその緒の周りを濡れたコットンで優しく拭き取ることをおすすめします。おへその緒のケア方法も参考にしてくださいね。

いつお医者さんに相談するべき?

赤ちゃんのへその緒が1ヵ月過ぎても取れない場合や、出血が続く、発熱、膿が出たり嫌な臭いなどの感染症の兆候がある場合は、早めにお医者さんに診てもらいましょう。

もし赤ちゃんのへその緒やおへそに異常があると感じたら、すぐにお医者さんに診てもらうと安心です。特に以下の症状が見られたら、すぐに診てもらいましょう。

  • へその肉芽腫。 赤ちゃんのへその緒が取れた後、おへその周りに赤くジクジクした小さな塊が残ってしまうことがあります。通常、自然に取れますが、なかなか取れない場合は処置が必要です。

  • 臍ヘルニア。 緊急性のない病気ですが、手術を勧められることもあります。 通常、へその緒は乾燥して外れます。 この時に筋肉の穴は小さくなっていき、瘢痕組織で穴がふさがることでおへその凹みができます。 この穴がうまくふさがらず、おへそが膨らむようになることがあります。 この状態を臍ヘルニアと言います。 何もしなくても1歳までに80%、2歳までに90%が自然に治ると言われています。緊急性のない病気ですが、手術を勧められることもあります。

よくある質問

へその緒の切り欠きがあるおむつを使用し、刺激や尿の接触を避けます。 へその緒を引っ張らないようにしましょう。

まとめ

赤ちゃんが生まれてから1~2週間したら、へその緒は自然と取れます。 愛らしいおへそが見えました。 赤ちゃんはへその緒を通じてママから酸素や栄養をもらっていました。ママと赤ちゃんがつながっていた証を見て、妊娠期間を思い出し、しみじみとするかもしれませんね。

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この記事の作成について 本記事に掲載されている情報は、信頼のおける医療機関や政府機関からの情報にもとづいたものです。 参考及び参照のリンクにつきましては、以下をご参照ください。 また、掲載された内容につきましては十分な注意を致しておりますが、医療従事者などの専門的な意見に取って代わるものではありませんので、ご注意ください。診断や治療法につきましては、必ず 医療従事者などの専門的な意見を聞いていただきますよう、お願い申し上げます。

About 杉山 剛

静岡県裾野市出身。 1998年に山梨医科大学(現山梨大学医学部医学科)卒業後、同年5月に山梨大学医学部小児科入局。以後、山梨大学医学部救急部、山梨県立中央病院NICUなどの勤務を経て、2009年11月 山梨大学医学部小児科学講座助教、2014年6月 山梨大学医学部小児科講座学部内講師を担当。2017年4月より社会医療法人杏嶺会一宮西病院小児科部長を務めた後、2023年7月に日本初となる小児の睡眠とアレルギーの専門医院である「尾張こどもの睡眠・呼吸・アレルギークリニック」を開業。 受賞 ...

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