激しい胎動とは?

妊娠後期、特に臨月に入ると「胎動が激しい」と感じる妊婦さんが多くなります。これは赤ちゃんの成長に伴い、筋力が発達し、子宮内のスペースが限られてくるために起こる自然な現象です。胎動が激しいこと自体は、赤ちゃんが元気である証拠とされ、基本的には心配いりません。しかし、以下のようなケースでは注意が必要です。

■胎動が激しいときに気をつけたいポイント

- 胎動のパターンが急に変化した(例:急に少なくなった)

- 胎動に伴って強い痛みを感じる

- 胎動が激しすぎて日常生活に支障が出る

■対処法とアドバイス

- 姿勢を変える、リラックスすることで胎動が落ち着く場合も

- 胎動が激しいこととダウン症などの疾患とは医学的関連性なし

- 不安な場合は、遠慮せずに医師に相談を

 胎動の激しさは赤ちゃんの個性のひとつでもあります。本記事では、胎動が激しい原因や対処法、注意すべきサインを詳しく解説し、妊娠後期を安心して過ごすための情報をお届けします。

胎動が激しくなる原因は?

胎動は、赤ちゃんが健康で順調に成長していることのサインです。元気な赤ちゃんほど、よく動きます。胎動を感じるようになる妊娠中期以降は、胎動を常に意識しておくことが大切です。最初はわずかに感じていた胎動は、妊娠週数が進むにつれて、動きが変わってきます。

どうして胎動を強く感じるようになるのでしょう?成長に伴い、赤ちゃんの骨や筋力が力強くなります。赤ちゃんの動きが次第に力強く大きくなるので、胎動を激しく感じるようになります。また、子宮の中で比較的自由に動けるスペースがあれば、くるりと回転したり、おなかの片側から反対側へ移動したりする大きな動きをすることもあります。ママのおなかの形が変わるほどの動きをすることもありますよ。

胎動をどのように感じるかは個人差が大きいです。 ママの体型や姿勢、おなかの中の赤ちゃんの位置などで胎動の感じ方は変わってきます。また、赤ちゃんはおなかの中で20~30分のサイクルで、寝たり起きたりを繰り返しています。赤ちゃんが寝ている時は、胎動を感じることは少なくなるでしょう。

臨月の体の変化

臨月とは妊娠10ヶ月、36週0日以降のことです。出産予定日まで1ヶ月を指し、赤ちゃんがいつ生まれてもおかしくない時期です。臨月は医療用語ではないので、病院内ではあまり使われることはありません。臨月になると、ママの子宮の大きさが最大になります。ママの体にもさまざまな変化が現れるので、体調がよくないと感じたら無理はしないでくださいね心配な症状があれば、必ずお医者さんに連絡しましょう。臨月のママの体の変化を下にまとめました。これらの変化は自然なもので、出産に向けてママの体が準備をしているサインです。

  • 子宮口が開き始める

  • おなかが大きくなり、疲れを感じやすい

  • 胃が子宮に圧迫され食欲がなくなる

  • トイレが近くなる

  • おなかの張りを感じやすい

  • 骨盤周りの筋肉や靭帯も緩んでくるので、体全体が重く感じられる

胎動の感じ方

妊娠週数が進むにつれて、胎動の感じ方は変わります。最初はわずかしか感じなかった胎動は、妊娠週数を経るにつれて大きな動きに変わっていきます。

実は妊娠2ヶ月の終わりから妊娠3ヶ月のはじめにかけて、すでに赤ちゃんはママのおなかの中で手足を動かしたり、羊水の中を泳いだりしています。ただ、この時期は赤ちゃんが小さいので、ほとんどのママが胎動を感じることはありません。早ければ妊娠16週くらい(妊娠5ヶ月)から、妊娠20週(妊娠6ヶ月)にはほとんどのママが、胎動を感じるようになります。

最初はポコポコ、ウニョウニョと言うようなおなかの中でガスや空気が動く感じ、ニョロニョロとミミズがはったような、何かが動いている感じと表現するママもいます。赤ちゃんの成長に伴い、赤ちゃんの骨や筋力が力強くなります。より力強く手や足を動かすようになります。

妊娠5~6ヶ月

個人差がありますが、妊娠中期である妊娠5〜7ヶ月目には、ほとんどのママが胎動を感じるようになります。赤ちゃんは腕や足を曲げたり、伸ばしたりできるようになります。骨格や筋肉がぐんぐん発達して、羊水の中でさらに力強く手足を動かしたり、体の向きを変えたりします。子宮の壁を力強く押すこともできるので、しっかりと胎動を感じるママが多いでしょう。

この時期には、グーっと押される感覚以外に、ガスが腸の中で動く感じ、泡がはじけた感じ、と表現されるように、かすかな動きとして感じることが多いようです。子宮内で比較的自由に動けるスペースがあるので、くるりと回転したり、おなかの片側から反対側へ移動したりする大きな動きも見られます。ママのおなかの形が一時的に変わるほどの動きをすることもあります。

妊娠5ヶ月頃には赤ちゃんの聴覚が発達してきます。ママパパの声に反応して動いたり、外部からの刺激にビックリして、胎動がピタリと止んだりすることもあります。

妊娠7~9ヶ月

妊娠中に最も胎動を感じられるのが妊娠8〜9ヶ月です。痛いと感じるぐらいの強さの胎動を感じることも。赤ちゃんの成長に伴い、さらに手足の筋力が強くなり、狭くなった子宮の中で手足を動かした時に、これまでと比べて、はっきりと力強い動きを感じます。赤ちゃんが大きな動きをした時には、寝ていても目が覚めてしまうことも。肋骨や膀胱を蹴られて痛みを感じたり、胎動が激しくて眠れなくなったりするママもいるでしょう。赤ちゃんが動くとおなかが波をうったり、ママのおなか越しに赤ちゃんの手や足などが浮き出る様子がみられたりすることもあります。

臨月の胎動

赤ちゃんが大きくなるにつれて、以前よりも動けるスペースが限られてきます。これまでのような動きは少なくなり、押したり突き出したりするような動きを感じるようになります。臨月に入ると、胎動が少なくなったように感じるママが多いです。赤ちゃんの頭が骨盤の中に固定されて、動きが制限されることが理由ですが、妊娠10ヶ月であっても胎動がなくなってはいけません。胎動は赤ちゃんが元気でいることの証です。妊娠10ヶ月でも胎動が全くなることはないので、胎動を感じないなどの不安があればすぐにお医者さんに連絡しましょう。

胎動が激しいのは大丈夫?

夜に目が覚めてしまうほど、激しい胎動を感じることもあります。赤ちゃんが成長するにつれて、骨格がしっかりして筋肉が強くなり、手や足を動かす力が強くなります。成長するにつれて色々な動きができるようになるので、動きが活発になり、胎動も激しくなります。胎動が激しいのは、むしろ赤ちゃんが元気に成長している証拠なので、安心してください。苦しくてもがいているわけではありません。本当に苦しければ、動く元気すらなくなるので、胎動を感じることが少なくなります。急に胎動が弱くなった、胎動が少なくなった、いつもと胎動が違うと感じた場合は、すぐに産婦人科や病院を受診しましょう。

妊娠28週目を過ぎたら、胎動カウントを始めてみませんか。妊娠 32 週~35 週頃になると赤ちゃんの眠っている時と起きている時のリズムがついてくるので、胎動カウントをすることで、赤ちゃんが元気に育っているかを確認できます。普段から胎動カウントをとっておくと、胎動の変化や異常に気づきやすいというメリットがあります。

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胎動が激しいときに注意するべきこと

赤ちゃんが成長するにつれ、胎動が激しくなっていくのは自然なことです。胎動を感じるということは、赤ちゃんは順調に成長して、活発に身体を動かしているということ。胎動が激しいことは何も問題なく、むしろ赤ちゃんが元気に成長している証拠なので、安心して大丈夫です。ただし、あまりにも激しくて痛みを感じたり、おなかが張ったりした場合は、胎動による痛みではなく別の症状の可能性があります。無理せず安静にして、お医者さんに相談しましょう。

注意したいのは胎動が激しい時ではなく、逆に胎動が減った、弱くなったという場合です。胎動が弱くなる理由は?赤ちゃんが眠っている、赤ちゃんが胎動を感じにくい位置にいることが考えられます。赤ちゃんは20~30分おきに寝たり、起きたりを繰り返しています。寝ている時には、動きが少なくなります。また、赤ちゃんの位置や、羊水の量が多くなる時期には、羊水がクッションの働きをするため胎動を感じにくい場合もあります。ただし、長時間胎動を感じなかった、急に弱くなったと感じた場合は、病院に連絡するようにしましょう。

胎動が激しい時の対処方法

激しい胎動は赤ちゃんが元気な証拠、胎動が激しくても心配はいらない、と分かっていても、胎動の痛みを辛く感じることがあるかもしれません。

妊娠後期に入ると赤ちゃんは子宮内が狭く感じるほど大きく成長します。これまでのように自由に動き回ることが難しくなり、激しい胎動はおさまっていきます。

残念ながら、激しい胎動による痛みを解消する医学的な処置はないのですが、痛みを和らげる方法はあります。胎動が激しくて困ったときの対処法を下にまとめたので、ママに合った方法を探してみてください。

ストレスを溜めない

胎動による痛みを解消する医学的な方法はありません。耐えるしかないのが正直なところです。辛い時には、胎動を気にしなくてもいいようにお友達と外出したり、お茶をしながら世間話をしたり、軽い散歩に出たりしてリフレッシュしてみましょう。他のことに目を向けることで、胎動の痛みを紛らわせられるかもしれません。ただし、無理をして遠出するのは危険です。急なおなかの張りや痛みを感じた時に対応できないことがあるので、一人で遠出をするのはやめておきましょう。

痛いところをさする

胎動で痛みを感じた場合は、その部分を優しくさすってみましょう。痛みが強い場合は腰を温めたり、お風呂に入ったりするのも効果的と考えられています。痛い部分をさすったり、腰を温めたりすることで、痛みを緩和することにつながります。

赤ちゃんのことを考えたり話しかける

痛い部分をなでながら、赤ちゃんに話しかけてみましょう。ママだけでなく赤ちゃんもリラックスすることで、胎動の場所をずらすことが期待できます。音楽を聴いたりパパがおなかを撫でたりすると、ママはリラックスできますね。

妊娠中期以降には赤ちゃんの聴覚は発達してきます。おなかの外の音が聞こえるようになっています。胎動を感じたら、おなかに手を触れたり、話しかけたりしてあげましょう。ママだけでなく、パパも話しかけてください。妊娠中から、親子でコミュニケーションをしていきましょう。

姿勢を変える

寝ている時に激しい胎動を感じたら、寝返りを打って体の向きを変える、上半身を起こす、クッションや枕で足を高くする、などの楽な姿勢を探してみましょう。大きめのクッションや抱き枕を使うと便利です。自分が楽だと感じる姿勢を探してみましょう。

起きている時に胎動による強い痛みを感じる場合は、体を揺らす、体を動かすのがおススメです。赤ちゃんの位置をずらすことで、痛みを緩和できる可能性があります。

胎動は赤ちゃんが元気な証拠ですが、あまりに激しい痛みがあると辛いですね。胎動を感じる時期は、妊娠期間中でも限られた期間です。いつかはこのような痛みはなくなります。胎動の辛い痛みには、ご紹介した方法を試してみましょう。

よくある質問

胎動が激しいのは赤ちゃんが元気に成長している証拠です。心配しなくて大丈夫です。逆に、胎動を感じない場合のほうが心配です。

まとめ

妊娠後期に入ると激しい胎動を感じるママが多くなります。胎動は赤ちゃんが元気な証拠、とわかっていても、眠れなかったり、目が覚めてしまったり、胃などを蹴られると痛く感じることもありますね。胎動を感じるのは限られた時期だけです。あまりにも痛い時には、今回の記事でご紹介した方法を試してくださいね。妊娠28週目頃からは胎動カウントを始めてみましょう。普段から胎動カウントをとることで、胎動の変化や異常に気づきやすいというメリットがあります。是非、試してみましょう。

本記事の内容について
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