睡眠は赤ちゃんが健康に発達するためにとても重要です。安全に眠れる環境づくりや入眠儀式など、赤ちゃんの良い眠りの習慣作りのために、できるだけのことをしてあげたいですね。

ここでは、ネントレの始め方、ママやパパと赤ちゃんに合うネントレの方法について学んでいきましょう。

ネントレとは?

ネントレとは決まった時間に赤ちゃんが自然と眠りにつく習慣をつける睡眠トレーニングのことです。乳児期後期から始めて、1歳頃までには昼間と夜の睡眠リズムがついているのが理想です。ネントレは、赤ちゃんが病気にかかっているとき、お腹が空いているとき、おむつ交換が必要なときなどを除き、赤ちゃんが夜中に目を覚ましても、再び自分で眠りに戻る方法も含まれています。赤ちゃんの睡眠リズムが整い、入眠儀式が習慣化された時期にネントレを始めるのが理想的です。

ネントレの始め方

赤ちゃんは寝るのが仕事。お昼寝を含めた睡眠サイクルを作ることは、赤ちゃんにとってとても大切です。そこで、ネントレを始める方法やコツについてまとめました。

  • リラックスできる入眠儀式を決める。ネントレを始めるための基本は、まず赤ちゃんの規則的な生活リズムづくりが重要です。同時にママやパパの毎日の生活リズムも見直してみましょう。例えば、お風呂に入れる、明かりを薄暗くする、優しい声で歌ってあげる、本を読む、あやしてあげるなどを、赤ちゃんが疲れて眠ってしまう前に実行してあげてください。

  • 赤ちゃんがウトウトしているけど完全に眠っていない時にベッドに入れる。眠る前のリラックスした心地良い幸せな状態と、居心地の良いベッド環境を作りましょう。マットにぴったりフィットするシーツを使う、赤ちゃんを仰向きに寝かせる、フワフワの毛布や枕、おもちゃをベッドに置かないなどの安全な眠らせ方 を守るようにしましょう。ベビーベッドでは必ずぴったりとしたシーツで覆われた硬めのマットを使うようにしましょう。

  • 自然に泣き止むのを待つ。一度寝ついた後も赤ちゃんはぐずったり、泣き出したり、起きてしまったりするかもしれません。赤ちゃんが自然に泣き止むまで、少し時間をあげましょう。それでも泣き続けるようであれば、赤ちゃんの様子をチェックして、優しい言葉をかけて、それでも泣き止まなければ授乳を考えましょう。夜泣きで起きる度に授乳をするのは、体内時計を整えるためにもおすすめできません。9か月を過ぎたら、夜間の授乳は2回までを目安にしましょう。

  • おしゃぶりなどを用意してみましょう。おしゃぶりは赤ちゃんを落ち着かせ、眠りに誘ってくれるでしょう。おしゃぶりは、紐などがついていないものを選びましょう。

  • 夜は暗く静かに。ねんねの前やねんね前の授乳・おむつ交換の時は、部屋の明かりを暗くして、静かなゆっくりとした行動を心がけ、優しく話しかけてあげましょう。この時は赤ちゃんの側で携帯電話の画面を見たり、テレビをつけたりすることは避けてください。

  • 就寝時間をゆっくりと変えていく。赤ちゃんの寝る時間が夜10時ぐらいになってしまうのは遅すぎます。せめて8時ぐらいには寝かせたいものです。入眠時間を早くするには、数日かけてゆっくりと早めていきましょう。例えば、1日あたり20~30分ぐらいのペースで早めていくのが良いでしょう。また、就寝時間が赤ちゃんに合っているかどうかの確認も必要です。上手くいっていないと感じるようであれば、就寝時間をもう一度見直してみましょう。赤ちゃんにとって適正な睡眠時間が取れていれば、昼間もしっかりと起きて、機嫌よく活発に遊んでくれるでしょう。

ネントレはいつ始めるの?

生後4~6ヵ月になると、赤ちゃんの睡眠リズムが整ってきます。ベッドに寝かせてあげると1人で眠り、お腹がいっぱいでおむつ交換も必要でない場合には、夜中に目が覚めても再び1人で眠りにつくことができるようになります。ネントレを始める最も良い時期だと言えますね。

生後数週間から1歳までは、ママの生活スケジュールを、赤ちゃんの睡眠リズムに合わせてあげることが大切です。

小さいうちに正しい睡眠リズムと就寝時間を習慣づけることで、大きくなって長い時間眠ってくれるようになったときに、自分に合った睡眠習慣を身につけることができます。

正しい睡眠習慣を1歳までに身につけることは一生の宝物になります。そこで重要になるのが起床時間です。1歳までに早寝早起きのリズムをつくりましょう。

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ネントレのいい方法は?

ネントレにはたくさんの方法があります。どの方法がママやパパと赤ちゃんにとって一番合っているかを決める時は、どの位の時間まで赤ちゃんを泣かせておいても良いかなども一緒に考えて決めるようにしましょう。

かかりつけのお医者さんや保健師さんも 赤ちゃんに合った方法を教えてくれるでしょう。それでは、ネントレの基本をまとめたので一緒に学んでいきましょう。

眠りと幸せな時間の関係

まずは初級編から。赤ちゃんが気持ちよくウトウトしてきた状態になった時にベビーベッドに寝かせてあげましょう。

泣きだしたら、5~10分の間隔を空けて赤ちゃんの状態を確認しましょう。泣き続けていたら、トントンをしてあげても良いですが、なるべく抱き上げないようにしてください。

  • メリット: 比較的簡単な方法なので、生後早い時期から入眠儀式を習慣化することができます。道具なども使わないのでママやパパも気楽に始められますね。

泣いても焦らず、すぐに授乳しない

緊急時以外は、赤ちゃんが泣いたら少し様子を見ましょう。

  • メリット: 最初は泣くことが多いでしょうが、最後には眠ってくれる場合もあります。夜泣きの度に授乳させたくなる気持ちもわかりますが、9ヶ月を過ぎたらそこはグッとこらえて、入眠後の授乳は2回までを目安にしましょう。

  • デメリット: 赤ちゃんがずっと泣いているのを聞くのは、ママやパパにとっても辛いことですね。

ネントレとお昼寝

お昼寝もネントレに関連しています。というのも、赤ちゃんのお昼寝は夜の睡眠の質にも影響してくるからです。お昼寝のリズムも一緒に作っていくようにしましょう。

お昼寝の時に気をつけたいことをまとめました。

  • 生後最初の数ヵ月は、寝るのが赤ちゃんの仕事です。疲れて眠いと赤ちゃんの機嫌が悪くなるので、赤ちゃんがいつお昼寝をしたいのかを見極めて、サインに気がついたら、お昼寝をさせてあげましょう。

  • 赤ちゃんの成長に伴い、昼寝の時間も少なくなってきます。9ヶ月を過ぎたら昼寝は1日2回まで、1回の昼寝は1時間以内を目指しましょう。

  • 日中はお部屋を明るくしてあげましょう。赤ちゃんの体内時計が昼と夜を理解するようになります。日中はたくさん赤ちゃんと遊び、昼は起きている方が楽しいということを赤ちゃんにわからせてあげましょう。

  • 日中は、お家の中でも必ずママやパパなど大人がいる場所、生活音がするところ、目が届くところでお昼寝をさせましょう。

  • 夜には疲れて眠れるよう、午後の遅い時間のお昼寝は避けましょう。

理想的な睡眠時間は?

理想的な睡眠時間は赤ちゃんによって変わってきます。また、生まれたばかりの赤ちゃんはお昼寝ばかりしていますが、大きくなるにつれてお昼寝の回数は次第に減っていきます。

赤ちゃんの睡眠リズムはママ・パパが作ってあげるもの。乳児期後期になったら、 ①昼は一緒に遊んであげること。

②夜は早寝をすること。ママ・パパの就寝時間が遅いと赤ちゃんも寝つきにくいのです。

③最も大切なのは、ママ・パパも赤ちゃんと一緒に早起きをすること。朝起きたら赤ちゃんと一緒に太陽の光を浴びて、体内時計をリセットする習慣を身につけましょう。

④夜泣きがあってもすぐに授乳や添い寝をするのではなく、しばらく様子を見たり、おしゃぶりを使ったりして、睡眠中の授乳は2回までを目指しましょう。

赤ちゃんは寝ることが仕事。でも赤ちゃんによって、睡眠パターンや必要な睡眠時間は変わってきます。生後1年間の赤ちゃんの平均的な睡眠時間を見てみましょう。

  • 生後4ヵ月の赤ちゃん のお昼寝の回数は1日に2~3回程度。また、少しずつ夜にまとめて長く眠るようになります。1日に必要な睡眠時間は減ってくるでしょう。 通常、午前中に1回、お昼頃に1回ですが、午後にもお昼寝をする赤ちゃんもいます。次第に夜にまとめて眠るようにもなるでしょう。睡眠中の授乳も2回くらいになり、睡眠が連続するようになります。

  • 生後9ヵ月を過ぎても午後の遅い時間にお昼寝をしている赤ちゃんは、遊んであげるなどして眠気を紛らわせ、午後の遅い時間のお昼寝をスキップして、夜の就寝時間をいつもよりも少し早めてみましょう。昼寝は1日2回までを目指しましょう。

  • 生後12ヵ月 1歳になると昼と夜の二相性リズムは強化され、完成に近づいていくので、朝はしっかり起こしてあげて、夜は早く寝る、早起き早寝の習慣を心がけましょう。

赤ちゃんを泣かせっぱなしにしても良いの?

赤ちゃんは泣くことで自分の要求を伝えています。赤ちゃんが生まれて数週間もすると、赤ちゃんの泣き方にも違いがあることが判ってきますね。

例えば、“私は不快なの”と感じている時の泣き方と、“お腹が空いた”時の泣き方、コリック(黄昏泣き)の大泣きの違いが判ってきます。

生後しばらくの時期は、夜や昼に関係なく、眠りから覚めた赤ちゃんを長時間泣かせないようにしましょう。赤ちゃんを落ち着かせるには、静かに歌ったり、優しくあやしてあげたり、夜なら明かりを薄暗くするか、リラックスできる音楽をかけてあげてください。必要に応じて、5~10分ぐらい抱っこしてあやし、ベビーベッドに戻しましょう。 トントンしてあげることも重要です。おむつも濡れているかもしれないので確認してあげましょう。

最初の数ヵ月間は、できるだけ赤ちゃんの不快な状況を取り除くことで、赤ちゃんはよく眠れるようになるでしょう。さらに、不快な状況を取り除くことで、赤ちゃんにとって眠りに落ちる時の感覚と幸せな気持ちがつながっていきます。

赤ちゃんが寝てくれない

ネントレに関係なく、おむつを交換してほしい、お腹が空いた、部屋が暑すぎたり寒すぎたりするなど、赤ちゃんにとって不快なことがあれば、赤ちゃんは眠ってくれないものです。赤ちゃんが気持ちよく眠れる快適な環境を作るよう心がけましょう。

さらに赤ちゃんの成長の変化 に伴い、赤ちゃんの睡眠リズムが変わってくる時期もあります。

赤ちゃんが寝てくれない。そんな時に考えられる原因をまとめました。

  • 体調が良くない。 黄昏泣き(コリック) のイライラで赤ちゃんが眠れないことがあります。赤ちゃんの体調がおかしいと感じたら、かかりつけのお医者さんに相談してみましょう。赤ちゃんが眠れないと、ママもパパも疲れ果ててしまいますね。でも、このような時期は永遠に続くことではありません。時期が来たら赤ちゃんはまた眠るようになるので、頑張って乗り越えましょう。

  • 赤ちゃんの性格。単に物音などの刺激に敏感なのかもしれません。あるいは、日中の活動や遊びに満足できていないため、眠気を感じないのかも。ママ・パパの赤ちゃんとの接し方を見直し、日中遊んであげる時間を増やしたり、ベビーカーでお散歩したりするなど、日中の活動量を心身ともに増やしてあげることで、状況が変わるかもしれません。一人で悩むと苦しくなるので、かかりつけのお医者さんからアドバイスをもらったり、育児カウンセラーや同じような状況で悩むママやパパなどのサポートグループに相談したりするのも良いでしょう。

ベビーシッターさんや一時保育に預ける時は、同じベビーシッターさんにお願いするか、一時保育を行う保育園の開放日に積極的に訪問し、赤ちゃんに環境に慣れてもらうのも良いでしょう。新しいベビーシッターさんにお願いをする時は、赤ちゃんが起きている時に来てもらい、慣れてもらいましょう。ママやパパが赤ちゃんを預けて出かける時の赤ちゃんのご機嫌を取るために、赤ちゃんにおもちゃを渡したり、ベビーシッターさんにゲームに参加してもらったり、楽しい時間を作りましょう。預ける時は元気よくバイバイと言って、さっと去りましょう。

よくある質問

決まった時間に赤ちゃんが自分で入眠できることを習慣づける睡眠トレーニングのことです。赤ちゃんが眠る時間を決めて、毎日、同じ寝かしつけの方法で寝かせることを繰り返しましょう。毎日同じ時間に同じことを繰り返すことが、赤ちゃんにとって安心につながり、寝る合図にもなります。

ネントレは、なかなか思い通りに進むものではありません。上手くいかなくても、ママもパパもあまり思いつめないようにしてくださいね。赤ちゃんにも寝つきが悪い時や、眠れない時など色々な状況があります。ママもパパも赤ちゃんの生活リズムを整えてあげることや、ぶれない行動を心がけるようにしましょう。赤ちゃんの就寝時間や入眠儀式の習慣を変えていくのには時間を要します。上手くいかないからといって、赤ちゃんや自分に対してイライラしたり焦ったりしないようにしましょう。上手くいかなかったら、また別の時期に始めれば良いのです。

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About 杉山 剛

静岡県裾野市出身。 1998年に山梨医科大学(現山梨大学医学部医学科)卒業後、同年5月に山梨大学医学部小児科入局。以後、山梨大学医学部救急部、山梨県立中央病院NICUなどの勤務を経て、2009年11月 山梨大学医学部小児科学講座助教、2014年6月 山梨大学医学部小児科講座学部内講師を担当。2017年4月より社会医療法人杏嶺会一宮西病院小児科部長を務めた後、2023年7月に日本初となる小児の睡眠とアレルギーの専門医院である「尾張こどもの睡眠・呼吸・アレルギークリニック」を開業。 受賞 ...

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