ずりばいはいつから?
寝返り、ずりばい、はいはい、おすわりなど、日に日に赤ちゃんのできることが増えていきます。昨日できなかったことが、今日、できるようになっている。そんな赤ちゃんの成長や発達を見るのは楽しみですね。特にずりばいは、赤ちゃんが自分の意思で移動できるようになる大きな発達の目安です。ずりばいとは?ずりばいはいつ始まるの?ずりばいとはいはいの違いは?赤ちゃんのずりばいについて、一緒に見ていきましょう。
ずりばいとは?
ずりばいとは、まだはいはいができない赤ちゃんが腕や足を使って、うつ伏せの状態でお腹を床につけたまま、体を引きずって移動する動きです。赤ちゃんがずりばいを始めるのはいつでしょう?ずりばいを始めるのは、首すわりが安定して、うつ伏せや寝返りに慣れた頃。慣れないうちは、前に進むことができなくて、ずりばいで後ろに進んだり、同じ場所をぐるぐると回ったり、ひじをついて腕だけで進んだり、両ひじを交互について進んだり。ずりばいには多くのパターンがあります。赤ちゃんに動きたいと言う気持があり、うつ伏せに慣れていれば、しっかり腰がすわる前でもずりばいをすることができます。
ずりばいとはいはいの違い
ずりばいとはいはいの違いはなんなのでしょう?ずりばいは、はいはいのパターンの1つです。ずりばいはお腹を床につけたまま、這いつくばって進むはいはいと言えるでしょう。寝返りができるようになってからはいはいができるようになる過程で、ずりばいが見られます。ずりばいは、はいはいが始まる前によくあるものです。
ずりばいとはいはいの一番の大きな違いは、赤ちゃんが動く時にお腹が床についているか、ついていないかです。但し、赤ちゃんの発達には個人差があります。ずりばいをしないで、はいはいを始める赤ちゃんもいます。
ずりばいのメリット・デメリット
ずりばいをするメリットやデメリットはあるのでしょうか?赤ちゃんが周りに興味を持つようになると、探索しながらずりばいを始めます。この探索行動を通じて、赤ちゃんはまだ知らない世界に対する興味や好奇心を育み、認知能力を発達させていきます。また、ずりばいの過程で、赤ちゃんは手や足の動きを協調させる能力を身につけ、全身の運動機能を向上させていきます。自分の力で移動できるようになるので、赤ちゃんは自信を持つようになります。これは自立心が育つことに繋がります。
さらに、ずりばいを通じて得られる成功体験が、赤ちゃんの自尊心や情緒的安定性に良い影響を与えます。聴覚、触覚、視覚的にも感覚的にも多くの刺激を受けるので、脳の発達にもつながります。ずりばいをすることで筋肉が鍛えられ、身体機能の発達が促進されます。体を動かすので、食事や睡眠などの生活リズムが整いやすくなると言うメリットも期待されます。
ずりばいのメリットやデメリットを下の表にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
手や足の動作を協調させる能力がつく | 体重や筋力の発達が遅くなることも |
全身の運動機能の促進につながる | |
自分の力で動くので、自立心が育つ | |
脳の発達につながる | |
成功体験を通じて、情緒的安定性につながる | |
生活リズムが整いやすい |
ずりばいはいつからできる?
ずりばいはお座りの前後に見られることが多いです。一般的には生後7~9ヵ月頃にずりばいを始めることが多いですが、赤ちゃんの成長には個人差があります。 もっと早い時期に始める子もいれば、ずりばいをしないで、はいはいを始める赤ちゃんもいます。
生後7ヵ月もすると、赤ちゃんの好奇心が強くなります。興味のあるものを見つけたら、ずりばいやはいはいで、そこまで行こうとします。最初のうちは、ずりばいで這って進んでいきますが、次第に両手や両膝を使って、早く動くようになっていきます。 赤ちゃんがずりばいやはいはいを始めるのは、赤ちゃんが自分の意志で自由に動き回るようになったということ。ずりばいの時期は、赤ちゃんの行動範囲が広がる時期でもあります。
ずりばいができるようになるコツ
赤ちゃんがずりばいをできるようになるコツはあるのでしょうか?ずりばいを成功させる一番のコツは、何と言ってもママパパが声がけをしながら、赤ちゃんが動く練習をすることでしょう。赤ちゃんがずりばいをしやすいように、伸縮性のある動きやすい服を着せることも大事です。赤ちゃんがキックをするような動きを見せたら、足の裏を床や壁に押しあてて蹴りだすようにサポートしてあげましょう。その反動で前に進めることができれば、ずりばいのコツが掴めるようになるでしょう。
赤ちゃんのずりばい練習方法
実は赤ちゃんがずりばいを始めなくても、練習をさせる必要はありません。赤ちゃんの運動機能は、頭から足に向かって、体の中心から手足の先に向かって、自然に発達していきます。ずりばいをさせるような、特別な練習は必要ありません。 それでもサポートしてあげたいと考えるのであれば、赤ちゃんが「あそこに行きたい」「あれに触りたい」と思う遊びを取り入れてあげましょう。このような好奇心が、前に進む動作へとつながります。以下の方法でサポートしてあげましょう。
うつ伏せを練習させる
ずりばいができるようになるには、首や肩の筋肉だけでなく、腹筋や背筋も必要です。まずは赤ちゃんの足や腕の力、そして全身の筋力を鍛えるために、赤ちゃんをうつ伏せの姿勢に慣れさせましょう。
但し、うつ伏せが好きでない赤ちゃんもいます。そんな時は、ママやパパもうつ伏せになり、ずりばいのやり方を見せてあげましょう。また、床でうつ伏せの練習をする時は、ベビージムのマットや布団の上で練習させてください。うつ伏せの状態のままで、胸を上げることが大事です。こうすれば、赤ちゃんの腕や背中の力がつくだけではなく、仰向けの時には見られなかった視野で世界を見ることができるようになります。
おもちゃを使って練習する
赤ちゃんをうつ伏せの姿勢にして、ちょっと頑張って移動すれば届く位置におもちゃを置いてあげるのもおススメです。目の前にある好きなおもちゃをずりばいで取りに行こうとします。あまり遠くにおもちゃがあると見えないので、30cmくらい離れたところから始めて、次第に赤ちゃんとの距離を広げていきましょう。鏡を置いて赤ちゃん自身の顔をうつしてあげるのも良いでしょう。ずりばいで上手におもちゃの所まで行けたら、「よく頑張ったね!」と思いっきり褒めてあげましょう。あくまで遊びなので、赤ちゃんが嫌がったり気が乗らなかったりする時には、無理に続ける必要はありません。
ずりばいをする上での注意点
ずりばいが始まると、赤ちゃんの行動範囲が広がります。行動範囲が広がると、危険が増えてきます。また、昨日できなかったことが、今日にはできるようになっていることもあります。ママパパが赤ちゃんから目を離さないのが基本ですが、ちょっとしたスキで思わぬことがおこってしまうことも。赤ちゃんが自由に動ける十分なスペースはありますか?口に入れてしまうような小さなものが床に転がっていませんか?床は綺麗な状態でしょうか?また、お家の安全対策も、もう一度見直しておきましょう。頭や顔がぶつからないようにテーブルや棚の角に保護テープを付ける、感電対策でコンセントにカバーを付ける、誤飲や指挟み対策など忘れていませんか?階段のあるお家はベビーゲートの設置など、特に注意が必要です。
また、赤ちゃんをうつ伏せのまま放置してしまうと、窒息のリスクがあります。うつ伏せの状態やうつ伏せ遊びをする時には、赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
ずりばいをしないときはどうしたらいい?
生後7~8ヵ月になっても、ずりばいをしない赤ちゃんもいます。順調に成長や発達をしている赤ちゃんでも、ずりばいをしないではいはいを始めたり、はいはいをしないでつかまり立ちを始めたりすることがあります。 「ずりばいをしないから、発達に問題があるのかも?」と心配になるかもしれませんが、そのような心配は必要ありません。はいはいの前にずりばいをするのは、赤ちゃんが少しずつ筋力をつけている最中だからです。
赤ちゃんに腹筋や背筋、腕の筋力がついていて、足の親指で踏ん張ることができれば、ずりばいをしなくてもはいはいができるようになります。十分に筋力が発達している赤ちゃんであれば、ずりばいをしないではいはいをすることもあります。
ずりばいやはいはいをしないで、座ったままの姿勢で移動する「シャフリングベビー」 と呼ばれる赤ちゃんもいますし、はいはいをしないで、つかまり立ちをする赤ちゃんもいます。
寝返りやつかまり立ちは発達の目安の一つとされますが、ずりばいはそうではありません。赤ちゃんがずりばいを始めなくても、練習させる必要はないでしょう。赤ちゃんの成長や発達には個人差があります。ずりばいをしないまま、はいはいを始めても何も問題はないので、安心してくださいね。
よくある質問
ずりばいはおすわりの前後に見られることが多いです。一般的には生後7~9ヵ月頃にずりばいを始めることが多いのですが、赤ちゃんの成長には個人差があります。生後4~5ヵ月などの早い時期に始める子もいれば、ずりばいをしないで、はいはいを始める赤ちゃんもいます。
まとめ
赤ちゃんの成長スピードには個人差があります。ずりばいが始まるのが遅い赤ちゃんもいれば、ずりばいをしないではいはいをしたり、歩き始めたりする赤ちゃんもいます。座ったままで「シャフリング」をしながら移動する赤ちゃんは、約40人に1人の割合でいると言われています。
ママパパが他の赤ちゃんと比べて発育が遅いと感じて焦ると、赤ちゃんにも自分にもプレッシャーになり、ストレスにつながることもあります。赤ちゃんの発達や成長スピードに合わせて、見守ってあげることが大事です。それでも不安な場合は、1人で悩まずに、小児科のお医者さんや子育てセンターなどの専門機関に相談してみましょう。
赤ちゃんが好奇心を持ち、自分の意志で動くようになってきたら、赤ちゃんが安心して動き回れる環境なのか、もう一度、お家の安全対策を再確認しておきましょう。
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