前置胎盤は、胎盤が通常よりも子宮の低い位置に付着し、子宮口を覆ってしまう病気です。 受精卵が通常の着床位置よりも子宮の下部に着床することが原因です。 赤ちゃんが出てくる子宮の出口がふさがれてしまうため、帝王切開での分娩となります。前置胎盤とは?前置胎盤と診断されたら?ご紹介します。
前置胎盤とは?妊娠における前置胎盤の役割
胎盤は妊娠中に形成される大切な器官です。 ママと赤ちゃんをへその緒でつなぎ、大切な役割を果たしています。では、胎盤はママの身体のどこに位置しているのでしょうか?通常、胎盤は子宮の上部や側面に位置しています。
胎盤の主な役割は、へその緒を通じて、ママのおなかの中にいる赤ちゃんに酸素と栄養を提供することです。 逆に赤ちゃんは、不要になった老廃物や二酸化炭素をママの体に戻します。 また、胎盤は妊娠を維持する重要なホルモンを作り出したり、一部の有害物質から赤ちゃんを守るバリアとしても機能します。出産後、胎盤は子宮の壁から剥がれ落ちて、体外に出てきます。
前置胎盤は妊娠にどう影響するの?
通常、胎盤は子宮の側面や上部に付着します。 前置胎盤は、胎盤が子宮内で低い位置にあり、子宮口を部分的または完全に覆っている状態です。前置胎盤では、出口がふさがれていて赤ちゃんが出てこれないので、帝王切開となります。
但し、妊娠初期に前置胎盤と診断された場合、子宮が大きくなるにつれて胎盤の位置が変わり、前置胎盤が自然に解消されることがあります。 これは、胎盤が子宮口の一部しか覆っていないためです。完全前置胎盤の場合は、自然に解消される可能性は低いと言えるでしょう。
前置胎盤の症状とは?
一般的に、前置胎盤は無症状ですが、腹痛を感じないのに突然に出血することがあります。 この症状は、ママのおなかが大きくなり張りやすくなる妊娠28週以降に見られやすくなると言われています。妊娠28週以降にこのような症状が見られたら、すぐにお医者さんに診てもらいましょう。
前置胎盤はどのようにできてる?
前置胎盤のはっきりとした原因は分かっていませんが、以下の要因が関連していると考えられています。
前置胎盤のリスクと複雑さ
前置胎盤はほとんどが無症状で、妊婦健診の超音波検査で発見されるケースが多いです。 前置胎盤の約半分で、警告出血を経験すると言われています。 前置胎盤が疑われているママが少しでも出血に気がついたら、すぐにかかりつけのお医者さんへ連絡しましょう。前置胎盤に関連するリスクには、次のようなものがあります:
前置胎盤はどうやって見つかる?
前置胎盤は、妊婦健診の超音波検査で見つかります。 但し、妊娠初期に前置胎盤が疑われても、妊娠週が進むにつれて子宮の下部が伸びていきます。 胎盤が子宮口から離れて、前置胎盤ではないと診断されることがあります。妊娠中期に前置胎盤が疑われた場合、より詳しく胎盤の位置を確認します。
妊娠32週までに前置胎盤の状態が変わらなければ、胎盤が子宮口から離れるのは難しいとされています。警告出血のリスクが高まるので、前置胎盤の対応を行います。
前置胎盤は普通?どんな人にリスクがある?
前置胎盤はまれで、約200分の1の確率で発生します。過去に前置胎盤の経験がある、何度かの出産経験、帝王切開や子宮筋腫除去などの手術の経験、多胎妊娠、体外受精での妊娠、子宮内膜症の合併症が出ている、などが前置胎盤のリスクを上げると考えられています。
前置胎盤の治し方
前置胎盤が疑われる場合、その重症度は妊娠週やママと赤ちゃんの健康状態、胎盤の位置、そして胎盤が子宮口をどれだけ覆っているかによって変わります。 妊娠初期に胎盤が子宮の出口に近いことがありますが、子宮が成長するにつれて位置が変わるため、実際に前置胎盤かどうかは妊娠後期にしかわかりません。妊娠32週までに胎盤の位置が変わらなければ、その後に胎盤の位置が動くことは難しいと考えられ、前置胎盤としての対応が必要になります。
妊娠後期に入り、まだ前置胎盤がある場合、全てのタイプの前置胎盤で帝王切開での出産となります。低置胎盤の場合、経膣分娩と帝王切開のどちらで出産するかは、お医者さんとよく相談して決めるようにしましょう。
前置胎盤の診断を受けたら、出血に気をつけましょう。 痛みがなくても、突然に出血することがあります。激しい運動は避けて、安静を心がけましょう。
前置胎盤は自然に治る?
妊娠中に胎盤を自然に上に移動させることはできません。但し、妊娠初期に前置胎盤が疑われても、子宮が大きくなるにつれて胎盤の位置が自然に上に動くことはあります。
胎盤の位置は着床時に決まります。 残念ながら、胎盤の位置を動かす運動や生活習慣はありません。妊娠が進むにつれ、超音波検診やMRI検査で胎盤の位置を定期的に確認します。
まとめ
前置胎盤は妊娠中も出産時も大量の出血が起こりやすく、命に関わる危険が高いので、とても注意が必要な病気です。 但し、初期に診断された場合、子宮が伸びるにつれて胎盤の位置が変わり、自然に解消されることが多いです。 前置胎盤が疑われたら、妊婦健診でお医者さんが超音波検査で胎盤の位置を確認します。 妊娠32週を過ぎても胎盤が低い位置にある場合、帝王切開での分娩となります。 帝王切開の日にちが決まったら、手術の際の出血に備えて、「自己血貯血」を行います。予定日に近くなるほど手術前に陣痛が始まったり、おなかが張って出血のリスクが高くなるので、手術日は早めに設定されます。
この記事の作成について 本記事に掲載されている情報は、信頼のおける医療機関や政府機関からの情報にもとづいたものです。 参考及び参照のリンクにつきましては、以下をご参照ください。 また、掲載された内容につきましては十分な注意を致しておりますが、医療従事者などの専門的な意見に取って代わるものではありませんので、ご注意ください。診断や治療法につきましては、必ず医療従事者などの専門的な意見を聞いていただきますよう、お願い申し上げます。
- American College of Obstetricians and Gynecologists. Your Pregnancy and Childbirth: Month to Month, 7th ed. (Washington, DC: American College of Obstetricians and Gynecologists, 2021).
- Mayo Clinic. “Placenta: How it Works, What’s Normal?”
- Mayo Clinic. “Placenta Previa.”
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