赤ちゃんの食物アレルギー
生後6ヵ月前後になると、離乳食を始める赤ちゃんが多いですね。ママの赤ちゃんは好き嫌いなく何でも食べてくれるでしょうか?ドキドキしますね! 赤ちゃんが色々な食材を食べ始めると、ある特定の食材に対して、赤ちゃんが違った反応を示すことに気がつくママがいるかもしれません。ここでいう反応とは、ママが作ったホウレンソウが美味しくなくて、口から吐き出すと言う反応ではありません。じんましんや下痢の症状が出てくると、これらは離乳食が原因の食物アレルギー反応の可能性があります。食物アレルギーとはなにか、原因となりやすい食物、アレルギー反応が出た時の対応などを見ていきましょう。
食物アレルギーとは?
アレルギーとは、体に合わないものに対して、免疫システムが反応することです。例えば、ほこりや花粉に対してアレルギーがあると、目が痒くなったり、鼻水が出たりします。食物アレルギーの場合、下痢や嘔吐などの消化器に現われる症状、 じんましんや呼吸困難の食物アレルギー症状が出ることがあります。
通常、人間の体は体に入ってきた異物に対して「抗体」が作られ、異物をやっつけようと反応します。これが免疫と言う仕組みですが、時にはこの免疫の仕組みが過剰に反応することがあります。これをアレルギー反応と呼びます。アレルギーの症状や反応についてさらに調べていきましょう。
気をつけたい赤ちゃんや子どものアレルギーの症状は?
食物アレルギーでは様々な症状が出ますが、花粉症などの季節性アレルギーと比べると症状はより深刻になりやすいです。
離乳食を食べた時に赤ちゃんや子どもに出てくる食物アレルギーの症状には、主に以下のものがあります。
皮膚粘膜症状:かゆみやじんましん、浮腫などが出てくることがあります。
呼吸器症状:くしゃみからひどいものになるとあえぎや呼吸困難の症状が出てくることがあります。
消化器症状: 下痢や嘔吐の症状が出てきます。
全身の症状:青白くなったり、ぐったりしたり、ひどい場合にはアナフィラキシー症状や意識障害がでることも。
これらの症状が現れたら、お医者さんに相談するようにしましょう。食物アレルギー症状の広がり方が早い時、喉頭浮腫による咳や呼吸困難、アナフィラキシー症状が出てきた時などには、迅速な対応が必要となります。命に係わることもあります。急いで病院に行くか、救急車を呼びましょう。
原因となりやすい食物
では、どのような食材がアレルギーの原因となるのでしょうか?厚生労働省の報告によると、食物アレルギーは0~2歳の乳幼児で発症することが多く、その後、年齢とともに減少していきます。例えば、3才では卵・牛乳アレルギーで全体の62%を占めていますが、小学校1年生と5年生のそれぞれ卵・牛乳アレルギーの割合は54%、49%と低下していきます。赤ちゃんや子どもに最も多い食物アレルギーは卵や牛乳ですが、ほかにどのようなものがあるのでしょう?以下にまとめました。
卵: 成長すると、卵アレルギーはなくなると言われています。
木の実類:クルミ、アーモンド、カシュナッツ、ヘーゼルナッツ、マスタード、ピスタチオなどの木の実類のアレルギーは、3~6歳が最も多いですが、1~2歳でアレルギー症状が出る子どももいます。
豆類: ナッツと言う名前がついているので紛らわしいですが、ピーナッツは豆類で、木の実類とは異なります。ピーナッツにアレルギーがあるからと言って、木の実類にも症状が出るとは限りません。大人になってもアレルギー症状が残る可能性が多いです。
大豆: 子どもよりも赤ちゃんに多いアレルギーです。成長するとアレルギーがなくなるケースが多いです。
小麦: 小麦アレルギーとグルテン不耐性とは違います。小麦アレルギーの場合、呼吸ができなくなったり、血圧が下がったりする「アナフィラキシーショック」を起こす場合もあります。 年齢とともに食べられるようになることも。
魚類:たら、鮭、サバ、マグロなどの魚類。 このアレルギーは、大人になっても治らないことが多いです。
甲殻類:エビ、カニなど。エビ、カニをはじめとする甲殻類のアレルギーは、大人になっても治らないことが多いです。
食物アレルギーの原因となる食材の多さに驚いたママやパパも多いのではないでしょうか。でも、小さい時期に食物アレルギーの症状が出たとしても、年齢とともに症状がなくなっていくことはあります。特に卵、牛乳アレルギーなどは小学校にあがる頃には、食べられるようになることがほとんどです。ただ、年齢が大きくなって発症したそば、カニ、ピーナッツアレルギーなどは、大人になってもアレルギー症状が残ることが多いと言われています。
これはもしかして食物アレルギーの症状かも?そんな心配があれば、アレルギーに詳しいお医者さんに相談しましょう。お医者さんに診断をしてもらい、きちんとした指導を受けて対応したいですね。
食物アレルギーと食物不耐症の違いは?
ある特定の食物が原因で、食物アレルギーではなく、食物不耐症の症状が現れることがあります。食物不耐症は食物アレルギーほど深刻ではないですが、特定の食品を分解する酵素が不足している等の体質が原因で、食べ物を消化できない病気です。いずれにしても、不快な症状であることに変わりありません。例えば、乳糖不耐症は、牛乳の乳糖を分解する酵素を腸が作り出さない体質のため、牛乳を飲むと下痢を起こします。
食物不耐症にはどのようなものがあるのでしょう?
乳糖不耐症:乳糖不耐症とは、赤ちゃんや子どもがミルクに含まれる糖質である乳糖をグルコースとガラクトースに分解する乳糖分解酵素(ラクターゼ)の分泌が不足していて、乳糖を消化吸収できないことが原因です。消化不良・お腹がゴロゴロしたり、腹痛・下痢・おならなどの症状がでます。3歳頃に現われ、大人になっても症状が消えない人もいます。
グルテン不耐症:体が小麦、ライ麦、大麦に含まれるグルテンを消化できず、腸が栄養素を吸収できなくなります。 下痢、体重減少、イライラしやすくなるなどの症状が現れます。通常、生後6ヵ月から2歳の間に診断され、大人になっても症状が消えません。
食物アレルギーの診断方法は?
赤ちゃんが食物アレルギーや食物不耐症かもしれないと思ったら、お医者さんに相談しましょう。勝手な判断をして、自己流で食事制限などはしないように気をつけましょう。では、どのようにして赤ちゃんが食物アレルギーかどうかを診断するのでしょう?主に以下の方法があります。
皮膚プリックテスト(スクラッチテスト): アレルゲンの試薬を皮膚に1滴のせて、専用の針で皮膚に小さな傷をつけます。15分後に判定をして、蚊に刺されたように赤く腫れていれば陽性です。
血液検査:. 血液中の抗体の値を調べます。血液のサンプルを取り、色々なアレルゲンを混ぜて、抗体が検出されるかどうかを調べます。結果が出るまで、数週間が必要です。
除去食試験: 食物アレルギーの原因かもしれない食品を数週間完全に除去して、症状が改善するかどうかを観察します。母乳育児中の赤ちゃんの場合は、ママも除去が必要です。
赤ちゃんが食物アレルギーだと診断されたら?
赤ちゃんや子どもが食物アレルギーだと診断されたら、アレルギー反応が深刻ではなくても、アレルギーの原因と特定された食物を避けるようにしましょう。お医者さんの栄養指導を受けながら、食べるものに気をつけましょう。
アレルギー表示の確認を忘れずに
食品ラベルのアレルギー表示をチェックして、除去しなければならない食材が入っていないかどうかを確認しましょう。箱やビン、缶詰やペットボトルなどの容器包装された加工食品については、食物アレルギーを発症しやすい7品目、卵、牛乳、小麦、えび、かに、そば、落花生の7品目の表示が食品表示法で定められ ています。また、特定原材料に準ずるもの21品目については、表示が奨励されています。(表示の義務はありません)。アレルゲンが含まれていないか、外食時にも注意するようにしましょう。
赤ちゃんや子どもが勝手に戸棚などを開けてしまうこともあります。アレルゲンを含む食品は赤ちゃんや子どもの手の届く所には置かないようにしましょう。子どもが大きくなり、理解ができるようになったら、食物アレルギーやその対策について話をしてあげましょう。
赤ちゃんや子どものアレルギー症状に気をつけましょう
まだ母乳育児をしているママやパパは、赤ちゃんに発疹や下痢などのアレルギー症状が現れたら、離乳食からアレルギーの原因となる食物を除去するようにしましょう。ただ、勝手な判断をして自己流での食事制限をしてはいけませんね。お医者さんと相談しながら、赤ちゃんや子どものアレルギー対策をしていきましょう。 もちろん、授乳から離乳食へ 移行中の赤ちゃんの場合も、食物アレルギーの症状に気をつけましょう。
よくある質問
赤ちゃんや子どもにとってアレルギーの原因となりやすい食物は以下の通りです。
• 牛乳
• 卵
• 木の実類
• ピーナッツ
• 大豆
• 小麦
• 魚介類
赤ちゃんや子どもが食物アレルギーだと診断されたら、症状を引き起こす特定の食物は除去するようにしましょう。また、万が一アナフィラキシーの症状が現れた時のために、ママやパパ、周りの人たちは慌てないよう、日ごろからしっかりと対策をしておきましょう。
食物アレルギーは原因となる食材によって、治りやすいものと治りにくいものがあります。赤ちゃんや子どもに多い鶏卵、牛乳、小麦、大豆のアレルギーは3歳までに50%が、小学校に入るまでに70-80%が治ると言われています。赤ちゃんや子どもの食物アレルギーの症状で質問や心配なことがあれば、 アレルギー専門のお医者さんに相談するようにしてくださいね。
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