病気の兆候

お子さんの健康状態をどう見極め、小児科医の先生に連絡をとるタイミングを判断すればよいのでしょう。

新米ママやパパにとって、お子さんが病気になったときの対処法は、非常に気になる問題ですよね。 どうすれば、お子さんが本当に病気かどうかわかるのでしょう? 病気だったらどうすればよいのでしょう? 

ここでは、赤ちゃんに起こるかもしれない病気の兆候について説明します。 心の準備ができていれば、実際に病気にかかってしまったときでも冷静に対応できるでしょう。 これから紹介する内容は、お子さんの健康状態の見極め方、見守り方、小児科医の先生に連絡を取るタイミングの判断に役立つはずです。 

お子さんがいつでも元気でいられるように、普段からちょっとしたことでも、かかりつけの先生に相談するようにしましょう。 ※お子さんの病気の兆候について小児科の先生に相談するときは、次のことを伝えましょう。

<内容>お子さんの病気の症状を正確に報告できるよう準備する。 <期間>症状が現れてからどれくらい経っているかを報告する。

・症状が現れてから長時間経過している場合は、より詳しい背景を知らせる必要があります。お子さんの月齢もしくは年齢を知らせて、以前の状態や健康上の問題について話してください。 

・落ち着いて、できるだけ詳しく話してください。

・ほとんどの場合、まず先生が必要とするのは、発熱があるか、あるとしたら体温と発熱がどのくらい続いているか、という情報です。 緊急時でない限り、連絡する前にお子さんの熱を測ってください。

お子さんがまだ小さい場合(特に月齢3ヵ月以下の場合)、小児科の先生に連絡を取るタイミングについての注意点が異なるため、次のように、病気の兆 候を月齢3ヵ月以下の赤ちゃんと、乳幼児の2つのセクションに分けました。 また、はじめにすべて乳幼児に共通する緊急性の高い病気の兆候をリストにしましたので、参考にしてください。

1.病気の兆候チェックリスト

2.月齢3ヵ月以下の赤ちゃんの病気の兆候

3.乳児および幼児の病気の兆候

1.病気の兆候チェックリスト

あなたのお子さんに次のような兆候が1つでもあれば、すぐにかかりつけの小児科の先生に連絡してください。

・首が動かない。

・泉門部(赤ちゃんの頭の中央前よりのやわらかい部分)がふくらんでいる。

・昏睡状態。赤ちゃんがなかなか起きなかったり、お母さんに反応しない。

・39ー40℃を超える発熱がある。。

・腹部や睾丸が、腫れている。

・紫斑、またはできものがある(打撲によるものは除くが、頭部のあたりにある場合はすぐに医師に連絡してください)。

・歩こうとしない(歩ける月齢の場合)。

・触れたり、動かしたりすると泣く。

・温めても唇が紫色である。

・就寝中に変な咳をする。

・1 分間に60回以上の呼吸数、あえぐような呼吸、あるいはゼーゼーとした音が聞こえる。

2.月齢3ヵ月以下の赤ちゃんの病気の兆候

月齢3ヵ月以下の赤ちゃんの病気には、特に注意が必要です。その兆候は分かりにくく、戸惑うことが多いでしょう。赤ちゃんは、ある程度の年齢の子どもたちに 比べて、はるかに病気の進行が早いのです。赤ちゃんは生命力が強く、重大な病気はまれですが、いざという時のために何か特別な指針があったほうがよいで しょう。次に、注意しなければならない兆候をあげておきます。

●発熱 乳児の発熱には十分気を付けてください。直腸体温が38℃を超えると発熱とみなします。 この月齢では、耳用の体温計は使用しないでください。わきの下用の体温計を使用しましょう。 

お子さんの体温が上昇したら、衣服を 1 枚脱がせて15分20分後に、もう一度検温してください。それでも平熱に戻らない場合は小児科の先生に連絡を。大したことではないかもしれないし、ただの風邪かもしれませんが、念のため知らせてください。

お子さんに食欲があるか 、目覚めはよいか、よく反応するかどうか、また他に病気の兆候はないかを報告できるように準備してください(下記を参照してください)。 3ヵ月以下の乳児の場合、熱そのものは病気というより衣服の着せ過ぎによることが多いのです。また、小児科の先生に、この 1、2 週間以内にお子さんが何らかの病気を持っている人との接触があったかどうか、何か慢性的な健康上の問題があるかどうかを知らせてください。 この月齢の乳児には、アセトアミノフェンやイブプロフェンは与えないでください。 検査や手当てについては小児科の先生の指示に従ってください。 

●体温が低い乳児は、温度の下降による影響を受けることがあります。体温が 36℃以下の場合は、お子さんを毛布などでくるんであげて、15分20分後に、もう一度検温してください。体温が上昇しない場合や、適切な着衣にもかか わらず、上昇しても長続きしない場合は、すぐに小児科の先生に連絡してください。その他の病気の兆候や、上記に述べたように病気を持っている人との接触が あれば知らせてください。

●呼吸が荒い 呼吸器に問 題があると、月齢の小さな赤ちゃんでも、ある程度の年齢の子どもと同じように、呼吸が荒くなったり、早くなったりする反応をします。しかし、小さな赤ちゃ んの方がより早く息切れしてしまい、肺または心臓の疾患により呼吸を早める必要性が生じると、苦しい思いをすることになります。1分間に60回を超える呼 吸数は、小さな子どもの場合には早過ぎるとされています。お子さんの呼吸が早過ぎることに気付いたら小児科の先生に連絡してください。呼吸のたびに肋骨の 間や下の部分がへこむ場合は、さらに心配です。赤ちゃんのシャツをまくって、チェックしてみてください。 

●食欲がない どんな赤ちゃんでも、食欲が落ちる時があります。しか し2回続けて食欲がない場合、またそれがその赤ちゃんにとっていつもと明らかに違う場合は、調べてもらう必要があります。さらにどこか具合が悪そうだった り、食事にも起きないようであれば、すぐに小児科の先生に連絡してください。まだ母乳を飲んでいるお子さんで、あまりお乳を飲まないときは、遠慮せずに小 児科の先生に連絡しましょう。 

●嘔吐 ほとんどの赤ちゃんは食べ物を吐き出し、時には嘔吐する子もいます。 大 さじ1杯分かそれ以上吐いたり、2度続けて吐いたり、他に病気の兆候があったりするときは、小児科の先生に連絡しましょう。明るい黄色の嘔吐物は深刻な兆 候なので、すぐに連絡してください。部屋を横切るほど噴出する(本当に噴出するのです)嘔吐は幽門閉鎖も考えられます。小児科の先生に知らせてくださ い。 

●排尿がない お子さんが6時間排尿しない場合や、24 時間でおむ つを6回濡らさないといった場合は、脱水状態になっているかもしれません。小児科の先生に連絡しましょう。新製品の高吸収型おむつには、赤ちゃんの肌が湿 らないように、中をさわってみても、乾いているような状態のものもあります。排尿していないのではないかと心配な場合は、おむつの中に4時間6時間、 ペーパータオルを1枚入れておき、湿っているかどうか時々調べてください。ペーパータオルが乾いたままならば、すぐに小児科の先生に連絡してください。 

3.乳児および幼児の病気の兆候

●「様子が違う」 お 子さんの病気の可能性を調べる上でこれが最も重要であり、最もわかりにくいものでもあります。小児科の先生にとって、お子さんが「いつもと様子が違いま す」と伝えられるのは、最も重要な情報となります。反対に、お子さんが発熱や発疹にもかかわらず、元気に動いている場合は、ひどい病気にかかっていること はあまりありません。

「いつもと様子が違う」とは、どういう意味でしょうか。あなたは、親として、それが最もよくわかる立場にあります。注意を必要とする兆候をここに述べます。

・お子さんがいつものように笑ったり遊んだりしない。

・いつもの方法でなだめることができない。

・過度にまつわりついてくるように見える。

・いつもは起きている時間なのに眠そうにしている。

・弱々しく泣いていたり、痛がっているように見える。

このように兆候を並べると、小児科の先生はより的確にアドバイスしてくれるでしょう。その他の病気の兆候についても、できるだけ詳しく伝えてください。病気が重大かどうかを判断するために、こういった情報がとても参考になります。

●発熱 お子さんの体温が わきの下で測って38℃を超えると発熱とされます。 4歳以下の子どもは、口の中で検温しないでください。月齢3ヵ月を超える赤ちゃんの場合、耳で測る体温は正しい測り方をすれば直腸体温と同じになります。 発 熱しているということは、お子さんの身体が感染症と戦っているということです。熱そのものは子どもの病気の重大性とはあまり関係がありません。微熱から中 程度の発熱は、子ども時代にはよくある軽い病気に対する体の防衛反応にすぎません。微熱程度の発熱は、ひどく興奮したり、熱い飲み物を飲んだことによって も起こります。 ひどい高熱(40℃を超える)は、別の医学的問題を引き起こす恐れがあるため、すぐに解熱する必要があります。一般に、体温が39℃を超えると重大な病気を引き起こす心配があります。しかし、熱の高さよりもお子さんの発熱時の様子の方が重要です。 

お子さんの具合が悪いようなら、常に体温に注意し、必要であれば小児科の先生に連絡してください。 お子さんが月齢 3 ヵ月を超えていれば、アセトアミノフェンかイブプロフェンを与えて、熱を下げて楽にしてあげられます。そのときは、子どもの年齢と体重に適した分量を、説 明書で確認してください。でも、決してアスピリンは与えないでください。ライ症候群という深刻な病気を引き起こす恐れがあるからです。 温かいお風呂も、お子さんがゾクゾクしていたり、ガタガタ震えたりするようなことがなければ、熱を下げてくれます。しかし、震えたり鳥肌が立つときは、入浴は中止してください。 身体は熱を上げようとしています。アルコールで拭いたり、冷水浴や湿布をしたりしないでください。身体を冷やし、震えを起こして体温を上昇させることになるからです。 

●嘔吐 嘔吐は、胃の内容物が無理に排出されることで、赤ちゃんによくある口の中の食べ物を吐き出すのとは違います。子どもは咳が出るときに、痰を吐くことがあります。呼吸器疾患による分泌物を咳で出せないため、飲み込んでしまうからです。 

嘔吐は、通常、インフルエンザのようなウイルス性疾患の一部か、子どもの食べたものへの過敏反応で起こります。その特徴と経過を注意して観察してく ださい。嘔吐の症状は、通常長くて8時間12時間続きます。子どもが小さければ小さいほど、すぐに脱水症状を起こすため、嘔吐には注意しなければいけま せん。

■次のようなときに赤ちゃんが嘔吐する場合は重症なので、すぐに医学的手当てをする必要があります。

・嘔吐だけでなく、お子さんの「様子がいつもと違う」(上記参照)。

・なかなか起きなかったり、起きていても機嫌が悪い。

・嘔吐物に、口を切ったときの出血や鼻血とは別の血液が混じっている。

・嘔吐物の色が、明るい黄色や緑色のとき。

・お子さんの腹部が腫れ、3時間以上腹痛が続いていると思われる。

・有害物を摂取してしまったとき(注:小児科の先生か中毒処理施設が、吐剤のシロップを与えるよう指示したときの嘔吐は、治療上の反応になります)。

・頭部に外傷がある。どんな外傷のときでも、子どもは、その直後に一度嘔吐することが多いものです。しかし、嘔吐が続けて起こり、眠り続けたり、異常なそぶりをするときは要注意です。.

■お子さんが次のような兆候を見せたときは脱水症状と考えてください。

・6時間8時間排尿がない。

・泣いているのに涙が出ていない。

・口と目が乾いている。

・横になっている時に頭の上部にある泉門(やわらかい部分)がへこんでいる。

■お子さんが次のような兆候を見せると、脱水症状で危険な状態です。

・少量の水でも吐いてしまう。

・液状の下痢を伴う嘔吐。

・水分を摂りたがらない。

・6ヵ月以下の赤ちゃんが8時間以上吐いている、あるいは、乳幼児が12時間以上吐いている。

・身体の外側も非常に熱い。

<お母さんにできること> 赤 ちゃんが水分を摂れないときは、小さじから大さじ 1 杯程度のベビー用イオン飲料を与え、他には何も与えないでください。もっと飲めそうな様子でも、次のひとさじを与えるまで15分待ち、量を倍に増やしてく ださい。イオン飲料が最良ですが、他に、ジュース、または水でも代用できます。 嘔吐していない場合は、これらの飲料だけを6時間8時間かけて与 えてください。その後、口当たりの良い食べ物を 8 時間12時間かけて与え、普通食に戻しましょう。母乳で育てている場合は、1 回の量を少なくして、回数を増やして与えてください。たとえば、片方のお乳だけを飲ませて30分経ってから、もう片方のお乳をあげるというようにしてくだ さい。

●便秘 お子さんに排便がないと心配でしょうが、便秘が深刻な問題になることはめったにありません。 ここでは、「排便時に痛みを伴うような、岩のように硬い排便に対してどうしたらよいか」のみを説明します。 2、3日おきにしか排便しない赤ちゃんもいますし、たとえ4日5日おきでも正常なのです。 ふつうは、食事を変えれば解消されます。

・乳児には食後に水を飲ませるとよいでしょう。ジュースを飲むなら、りんごジュースかオレンジジュースがよいでしょう。

・離乳食を摂っている幼児には、野菜を刻んだみそ汁や裏ごしした果物や野菜といった、繊維の多い食品を加えてもよいでしょう。

・水分も充分に与えましょう。

・定期的な排便を促すには、常に繊維の豊富な食品や飲料を摂るのもひとつです。

●呼吸障害 お子さんの鼻を掃除し、呼吸が早いかどうかチェックしてください。呼吸が早かったり荒かったりする場合は、通常、肺に重大な疾患が考えられるので、すぐに手当てが必要です。

・肋骨の間の部分、および鎖骨上部が呼吸のたびにへこむのを見つけた場合はすぐに小児科の先生に連絡してください。

・赤ちゃんの正常な呼吸数は、1分間に40−50回です(上述した月齢3ヵ月以下の赤ちゃんの項を参照してください)。1分間に60回を超える呼吸数は異常です。

お子さんの呼吸数を測定するには、鼻を掃除して、静かにしている時の呼吸を観察してください。呼吸について心配なときは、すぐに小児科の先生に連絡してください。赤ちゃんは、不規則な呼吸をしますが、10 秒以上の間隔は異常です。お子さんの唇が青ざめていたり、10 秒以上呼吸が止まったら、すぐにかかりつけの医師か 119 番に連絡してください。

●呼吸時の奇妙な音 乳幼児が発する耳ざわりな呼吸にゼーゼーという ものがあります。たとえば、 息を吐く時に、ゼーゼー、ヒュ-ヒューというような音がします。ゼーゼー音は、肺の疾患を伴う可能性があり、またアレルギーの兆候の一つと思われます。あ るいは、何かを飲み込んで、気管にそれが詰まっている状態を示している場合もあります。次のような場合には、小児科の先生に連絡してください。

・呼吸をするときにゼーゼーと音がするとき。 ・赤ちゃんの顔色に変化が見られるとき。

※幼児が息を吐き出す時、ハトが鳴くような音を出すのは呼吸困難の状態です。すぐに手当てしなくてはなりません。年長の子どもの症状は、息を吐くたびにブーブーという音になります。

お子さんが息を吸い込むとき耳障りな音がするのは、喉頭炎の一種であり、喉頭が感染して起こるウイルス性疾患です。クループ性の咳の音は、お子さん の喉に何かがつまっている可能性も示しています。就寝中に変な音が聞こえ、蒸気でいっぱいのお風呂に入れても同じような状態であれば、小児科の先生に連絡 してください。この種の呼吸障害が突然現れ、高熱、よだれ、顔色の変化を伴う場合は、すぐに手当てが必要です。

赤ちゃんが、咳をしたり泣いたり興奮すると、喉頭炎の傾向を示すことがあります。水分を多量に与えれば解決するでしょう。しかしこの症状は、5日7日続くものだということを念頭におき、症状の悪化に注意してください。

●咳と鼻水 お子さんの呼吸が、ゼーゼーという音もなく、静かで、他に病気の症状がなければ、家庭療法を試みてもよいでしょう。お子さんが苦しそうなら、鼻を掃除してください。 乳児の場合、鼻水を鼻用吸引器で吸い出す前に、より出しやすくするために、含塩剤(塩水)を数滴使用してもよいでしょう。 幼児の場合は、やわらかいティッシュで、ただふいてあげるだけで改善されることも。 そして、お子さんのために、特に夜間、加湿器を使用すると良いでしょう。 

●肌色の変化:赤、白、青、黄色

・唇や手足が青い ほとんどの新生児は循環機能が未熟なため、青みがかった手足をしています。幼児は、寒くなくて正常に呼吸し、呼吸器や心臓 の疾患がなければ青くはなりません。月齢の大きな赤ちゃんの唇や手足が青い場合は、良い傾向ではなく、すぐに医学的手当てが必要です。子どもがかんしゃく を起こして息を止めると、青くなることもありますが、呼吸を再開すればもとに戻ります。全く心配する必要はありません。長く泳ぎすぎたなど子どもが寒がる ときには、青くなることがあります。タオルでくるみ、抱いてあげてください。

・顔色が青白い 顔色が青白い場合は、貧血かその他の疾患の兆候かもしれません。お子さんの口の中や下まぶたの裏をチェックしてください。濃くてピンクがかった赤色をしているはずです。そうでない場合は、小児科の先生に知らせるか、他に症状があればもっと早く知らせてください。

・顔が赤い 赤い顔は、熱や発疹に伴い紅潮しているためです。検温して全身をよく調べてください。暖かくし過ぎている可能性もあるので、衣服をチェックして、涼しい場所を見つけてください。

・肌が黄色い 肌が黄色く見えるのは、黄疸のためです。新生児にはよくあることですが、小児科の先生に連絡して、よく観察してもらってくださ い。月齢の大きな赤ちゃんでは、黄色い肌は、肝障害の疑いがあります。一方、オレンジがかった黄色の場合は、にんじんやオレンジジュースの摂りすぎによる こともあります。この場合全く心配いりませんが、食事に変化をつけることを考えてはいかがでしょう。

●甲高い声で23時間機嫌悪く泣く これは通常、赤ちゃんが痛がっているか、神経的障害があるためです。その場合の泣き方は、どの赤ちゃんでも発する高い声とは質的に異なり、腹痛時の泣き声とも異なります。甲高い悲鳴に近く、全く泣き止む様子がありません。

●脱力状態 赤ちゃんに突然元気がなくなり、頭を持ち上げることも、おすわりも、おもちゃに近づくこともしない場合は、すぐに小児科の先生に連絡してください。突然のそのような兆候が現れた場合、とても重症である可能性があります。

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