
夜のおむつの中 では何が起こっ ているの?
赤ちゃんの肌を守りたいすべてのママとパパへ

夜用おむつとは? 夜のおむつの選び方を徹底解説

赤ちゃんの紙おむつは、大きくは、テープタイプ、パンツタイプ、夜用おむつの3つに分けられます。このうち、テープタイプは、新生児期からねんね期に対応し、パンツタイプは、寝返りやハイハイ、つかまり立ちなど、赤ちゃんの動きが活発になってきた頃から使われます。それぞれ「長時間吸収」「朝までOK」などと、パッケージに明記されていることもあり、夜にこれらのおむつをはかせているケースも多いのではないでしょうか。
では、なぜ夜用おむつは、必要なのでしょうか。

①おしっこ漏れを防ぎ、朝、忙しい思いをしないため
赤ちゃんが成長すると、夜にまとめて眠る時間が長くなる一方で、おしっこの量も増えていきます。もちろん、夜だからといって特別におしっこの量が増えるわけではありません。しかし、昼間は2〜3時間ごとにおむつを替えるのに対し、夜間は1枚のおむつでおしっこを受け止めなければなりません。ですから、夜用おむつは、通常のおむつに比べて吸水体の量が多く、就寝中の何度かのおしっこを吸収できるようになっています。
赤ちゃんは筋肉がついてくると、就寝中でもよく動くようになり、おむつがズレて横漏れや背中漏れを起こす機会も増えていきます。そのため、夜用おむつは、寝返りなどによるズレを防止するためパンツタイプが主流で、漏れのリスクを最小限にするようギャザーや内側のポケット構造が工夫されています。
漏れを防ぐことができれば、朝からシーツを取り替えたり、洗濯機を回すなど忙しい思いをしなくても済みます。赤ちゃんはもちろん、家族みんなが朝まで安心して眠れる環境をサポートすることが、夜用おむつの大切な役割といえるでしょう。

②長時間の肌への負担を減らすため
もうひとつ大切なのは、赤ちゃんの肌がとてもデリケートだということです。成長途中にあるため皮膚の厚さは大人の半分ほどしかなく、うるおいを保つ機能や外部刺激に対する必要なバリア機能はあるものの、ベストな状態とはいえません。新生児の頃は、ママから受け継いだホルモンの影響で皮脂が比較的多く分泌されますが、4ヶ月ほども経つと皮脂の分泌量が減少し、肌は乾燥しやすい状態になります。一方で、汗をつくる汗腺の数は大人とほぼ同じですから、汗をかきやすく、また外部からの刺激にも弱いため、かぶれなどの肌トラブルにつながりやすいのです。
夜用おむつは、通常のおむつよりも多くのおしっこを吸収し、肌に触れる余分な水分を減らすよう設計されています。また、肌への刺激が少ない保湿剤を配合した生地を採用しているものもあります。これらの工夫によって、夜間の長時間におよぶ肌への負担を減らすことができます。

③朝までぐっすり眠ってもらうため
夜中のおむつ替えは赤ちゃんを覚醒させてしまうことがあります。また、おしっこ漏れやムレによる不快感は、赤ちゃんの睡眠を妨げる原因にもなります。パジャマや寝具が濡れてしまったり、ムレによるかゆみなどの不快感で夜中に目を覚ましてしまうことも少なくありません。睡眠は赤ちゃんの健康な成長と発達、また肌の再生にとっても大切なもの。夜用おむつは、おしっこをしっかり吸収し、漏れやムレを軽減することで、赤ちゃんが快適に眠れる環境づくりをサポートするという役割があります。

多くのおむつには「長時間吸収」や「朝まで安心」などと書かれているため、「漏れないなら夜用おむつは必要ないのでは?」と思う方も少なくありません。たしかに、通常のおむつでも一晩分のおしっこを吸収できる場合はあります。
しかし、「漏れないこと」と「おしりが快適な状態で過ごせること」は別の話です。
夜間は、おむつ交換の回数が減るため、汗やおしっこによるムレで肌がふやけて刺激を受けやすい状態になります。そこに寝返りなどによる摩擦が加わると、肌がダメージを受けて、おむつかぶれを誘発するリスクが高くなるのです。
夜用おむつは、おしっこをすばやく吸収して肌に戻りにくくし、さらには摩擦を軽減する生地を採用しているものも少なくありません。ですから、夜用おむつを使う目的は、おしっこ漏れを防ぐだけではなく、ムレから肌を守り、朝まで快適に過ごせる環境をつくることにもあるのです。
3|夜用おむつ、いつから使える?
夜用おむつは、まとめて睡眠がとれるようになり、おしっこの量が増えてくる頃から使われるおむつです。パンパースでは夜用おむつの利用可能な月齢を2ヶ月以降としていますが、とくに明確な月齢が決まっているものではありません。赤ちゃんのおしっこの量や睡眠時間、おむつの状態を目安に考えることが大切です。また、おしっこ漏れが気になり始めたときだけでなく、肌への負担を減らしたいと感じたときも、切り替えを考えるよい機会といえるでしょう。
夜用おむつはこんな場合におすすめ
・おしっこ漏れ予防の観点から
□ 朝起きるとおむつがずっしり重くなっている
□ 夜間・朝イチのおしっこ漏れが増えてきた
□ 夜漏れが心配で寝る前の水分を控えさせている
□ 忙しい朝に漏れると、1日の段取りが崩れるのが悩み
・肌ケアの観点から
□ 朝イチのおむつ替え時に肌がベタついたり、
□ ふやけているように感じて心配
□ 肌のムレや不快感なく、ぐっすり眠ってほしい
□ おむつかぶれが気になる
・睡眠の観点から
□ 起こしたくないから、一晩おむつ替えをしないことが増えた
□ 夜中のおむつ替えなしで、家族みんながぐっすり眠りたい

①吸収力|朝までしっかり吸収できるか
夜は、おむつ交換の回数が減るため、おしっこが長時間おむつの中にとどまります。そのため一般的に夜用おむつは吸収量が多く設計されており、朝までの間に出るおしっこをおむつに閉じ込めて、肌に触れる水分を減らすことができます。
余分な水分を肌に残さないことは、おむつかぶれの予防にもつながります。高い吸収力は、おしっこ漏れ対策だけでなく、赤ちゃんの肌を守るためにも大切なポイントです。

②ギャザーによるフィット感|漏れにくさとズレにくさ
夜用おむつを選ぶ際に気にしたいポイントは、いかに漏れにくいかということです。多くのおむつには隙間漏れを防ぐために、ウエストや足回りの動きにしなやかにフィットする二重のギャザーがついています。寝ている間も赤ちゃんが頻繁に寝返りを打つ場合は、ギャザーがしっかり機能するかどうかが、夜用おむつでは大事な要素になります。
通常のおむつは立って動き回ることを想定した作りになっていますが、夜用おむつは、寝姿勢における使用を前提としています。例えば横向きになったときに、内側のギャザーが横漏れを防止してくれるかどうか、ゆるうんちなどの背中漏れにきちんと対応した構造になっているかなど、ギャザーの工夫を選ぶ際のポイントにしてみるとよいでしょう。

③肌へのやさしさ|摩擦による刺激の少ないものを
寝返りを打ったり、足をバタバタしたり、赤ちゃんは寝ている間も意外と動きます。肌と生地が何度もこすれることを考えると、夜用おむつは肌にやさしいものを選びたいところです。近頃は、ワセリンなどを配合した、肌に刺激の少ない夜用おむつも登場しています。そのような肌への刺激が少ない生地を使用したおむつを選ぶのもひとつの方法です。
摩擦による肌への負担は、夜寝ている間だけに起こるものではありません。日中の生活や遊びにおいても、おむつによるこすれや圧迫を受け、知らず知らずのうちに肌がダメージを受けていることがあります。ですから、しっかり睡眠をとり、明日も元気に過ごせるよう、夜もできるだけ肌への負担が少ないおむつ環境を整えてあげましょう。

夜用おむつは、おしっこ漏れを防ぐためだけでなく、赤ちゃんの肌や睡眠を守るためにも役立つおむつです。夜間はおむつ交換の回数が減るため、おむつ内がムレやすく、肌への負担も大きくなります。また、漏れやムレによる不快感は、赤ちゃんの眠りを妨げる原因にもなります。
夜用おむつには、高い吸収力や肌あたりのよさなど、夜の長時間使用に対応する工夫が施されています。おしっこ漏れを防ぎたい、あるいは肌ケアや睡眠の観点から改善したい悩みがあれば、おむつを夜用に変えてみるだけで、解決できる悩みもあるかもしれません。ぜひ目の前の赤ちゃんに合った夜用おむつを選んでみてください。

修:小西真絢(巣鴨千石皮ふ科院長)
皮膚科専門医
2017年に巣鴨千石皮ふ科開院。 おむつかぶれの子どもを診察することも多く、皮膚のことは何でも相談できるホームドクターを目指している。2児の母でも。


