早期母子接触とは? (出生直後のカンガルーケア)

ママの目と赤ちゃんの目が初めてお互いを見つめ合う瞬間。とても、ドキドキしますね。同時に一生思い出に残る、忘れられない瞬間でもあります。ママは赤ちゃんの顔や目、鼻や口やほっぺたを全部をじっくりと見つめ、赤ちゃんの匂いを吸い込み、キスをしたり、話しかけたり。肌と肌の触れあいを通じて、生まれたばかりの赤ちゃんを安心させてあげましょう。

早期母子接触は、出産直後のママと赤ちゃんの絆を深める大切なものです。早期母子接触について知っておきたいこと、パパにもできる肌と肌の触れあい方法、早期母子接触のメリットについてご紹介します。

早期母子接触とは?( 出生直後のカンガルーケアとは?)

早期母子接触と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?別名、出生直後のカンガルーケアとも呼ばれます。産後、ママと赤ちゃんの容態が安定していたら、ママが温かいバスタオルなどに包んだ状態の赤ちゃんと肌を合わせながら、ママの胸で抱っこすることです。体の状態が安定した早産で生まれた赤ちゃんに新生児集中治療室でおこなわれるカンガルーケアとは違い、ここでは正期産での分娩直後に実施するママと元気な赤ちゃんの肌と肌の触れあいについてまとめています。

肌と肌の触れあいを楽しめるのはママだけではありません。もちろんパパも出産直後から赤ちゃんとの肌と肌の触れあいを楽しんでくださいね。

生まれてすぐに元気に泣いた赤ちゃんは、ママの胸で抱っこされると、安心して泣きやみます。赤ちゃんの呼吸が穏やかになり、ママの心臓の鼓動を聞き始めます。目を開いてママを見つめたり、手や口を動かしたりすることもあります。

胸に乗せると、赤ちゃんはママのおっぱいに近づいてきます。お腹が空いていたら、おっぱいを探すでしょう。母乳育児を目指すママの場合、早期母子接触は母乳育児 を促すメリットがありますね。

赤ちゃんを胸に乗せても、最初はどうしたらいいのか分からないママもいるはず。長くて辛い出産を終えたばかりなので、仕方ないですね。そんなママも早期母子接触で赤ちゃんと肌と肌を触れあうことで得られるメリットの大きさに、すぐに気がつきます。2

パパももちろん赤ちゃんとの肌と肌の触れあいを楽しんでください。赤ちゃんとパパの絆は短期間でできるものではありませんが、時間をかけて取り組みましょう。

まとめ

]肌と肌の触れあいをすることで、赤ちゃんの絆を深めることができます。出産直後にママの胸のボタンを外し、赤ちゃんの肌と直接触れあうようにして、赤ちゃんをママの胸で抱きます。もちろんパパも肌と肌の触れあいを楽しむことができますよ。

 

早期母子接触はいつやるの?

経膣分娩 で出産したママも、帝王切開のママも、出産後のできるだけ早く、 早期母子接触を実施します。

早期母子接触のメリット、早期母子接触でどのようなことが起こるかをお医者さんから聞いておきましょう。早期母子接触を希望するママは、バースプラン に早期母子接触を希望することを記載しておきましょう。

生まれてすぐの赤ちゃんは、状態が急変する可能性があるので、お医者さんや助産師さんのサポートのもとで行うことが大切です。産後のママと赤ちゃんの状態がどれだけ安定してるかにより、早期母子接触の実施か可能です。なお、施設によって実施の方針が異なるので、出産前に確認しておきましょう。

もちろん、パパも肌と肌の触れあいを楽しむことができます。出産後のママの容体がよくなかったり、帝王切開や会陰切開の手術中であれば、パパにとって肌の触れあいを楽しむ絶好のチャンスです。ママの調子が改善すれば、今度はママが早期母子接触を楽しむ番ですね。

早期母子接触をする最も良いタイミングは?

早期母子接触のタイミングはとても重要です。出産後、2時間もすると赤ちゃんは眠ってしまいます。出産後、最初の1時間は赤ちゃんははっきりと目覚めているので、なるべく早めに早期母子接触を始めることが赤ちゃんとの絆を深めるポイントです。

まとめ

出生直後のカンガルーケアは赤ちゃんとの絆を深めるだけではなく、ママの母乳の分泌も促すと考えられています。早期母子接触のメリット、早期母子接触ではどのようなことが起こるかをお医者さんから聞いておきましょう。
早期母子接触を希望するママは、バースプランに記載しておきましょう。

 

赤ちゃんを産後すぐに抱けない時は?

医療関係者などの専門家は、早期母子接触の重要性を理解しています。産後のママと赤ちゃんの様子が安定していれば、赤ちゃんをしっかり拭いて、できるだけ早い段階でタオルや毛布に包んで、裸のままママの胸に置いてくれます。

帝王切開 のママの場合も、産後のママと赤ちゃんの様子が安定していれば、短時間の早期母子接触は可能です。予めお医者さんにママの希望をバースプランで伝えておきましょう。

問題が発生した場合や分娩室での早期母子接触が認められていない場合、病室で赤ちゃんを抱く こととなるでしょう。

帝王切開後や会陰切開後の縫合が行われている場合は、パパがママに代わって肌と肌の触れあいをやってみましょう。

生まれたばかりの赤ちゃんに何らかの緊急な医療処置が必要な場合でも、側にママがいると赤ちゃんに分かるよう、お医者さん達はママが赤ちゃんの手をつないだり、ママの手を赤ちゃんの側に持っていくのを手伝ってくれるでしょう。赤ちゃんが元気になったら、思いっきり肌と肌の触れあいを楽しんでくださいね。

出産直後に何が起こるかは、前もって誰にも分かりません。でも、ママが予め早期母子接触の希望を伝えておけば、お医者さん達が出産直後にママの希望叶うよう可能な限り手を尽くしてくれるでしょう。

まとめ

肌と肌の触れあいは出産直後に行うことが推奨されていますが、出産後のママや赤ちゃんの状態によります。ママが帝王切開や会陰切開で手術をしていれば、パパに代わってもらうこともできます。赤ちゃんの状態が悪い時には、ママが側にいると言うことを知らせるために、お医者さんはママが赤ちゃんの側に行くことを許可してくれるでしょう。 

 

早期母子接触のメリットは?

肌と肌の触れあいは、正期産で生まれた赤ちゃんだけでなく、早期産の赤ちゃんにもメリットがあると考えられています。早期母子接触はもともと、早期産の赤ちゃんのために考えられたものです。出産直後の早期母子接触をすることで、以下のようなメリットがあることが知られています。

  • 赤ちゃんの体温が安定する:ママの体が保育器のように機能して、赤ちゃんの体温が安定すると言われています。赤ちゃんが暑がっていれば体温を下げ、逆に寒がっていれば体温を上げたり、とママの胸が赤ちゃんの体温調整に機能していると言う研究報告もあります。もちろんママだけではなく、パパも同じように肌と肌の触れあいを行うこともできます。

  • 赤ちゃんの呼吸や心臓の動きが規則的に穏やかに:赤ちゃんの呼吸や心拍、血糖値が安定すると言われています。赤ちゃんの深い眠りや脳の発達を助けるとも言われています。

  • 母乳の分泌を促す:ママと赤ちゃんの心拍が一緒になると、赤ちゃんが穏やかになるホルモンが分泌されると考えられています。同時にママの体の中でプロラクチンと言うホルモンが分泌され、母乳の分泌を促すと言われています。

  • 泣いている時間が短くなる:早期母子接触をすることで赤ちゃんが泣く時間が短くなり、起きている時間はご機嫌になると言われています。たくさん抱っこしてあげることはメリットがいっぱいです。泣いている赤ちゃんをあやす方法 も参考にしてくださいね。

  • 赤ちゃんの眠りが深くなり、機嫌がよくなる:赤ちゃんは居心地の良い、温かくて安全なママのお腹から出てきたばかり。これから光や騒音のある外の世界に慣れていきます。ママとの肌と肌の触れあいが、赤ちゃんに安心感を与えます。赤ちゃんはママの肌のぬくもりを感じるだけではなく、ママの匂いや呼吸を聞いています。ママの心臓の鼓動や呼吸と他の音を区別できるようにもなります。

早期母子接触をすることで、ママパパには以下のメリットもあります。

  • 親子の絆を深める: 肌と肌の触れあいで、ママパパはオキシトシン、プロラクチン、エンドルフィンと言うホルモンを分泌します。これらのホルモンは精神面で赤ちゃんとの絆を深め、愛情や赤ちゃんを守ろうとする感情を刺激します。これらの幸せホルモンが増え、ストレスホルモンが減ることで、親子の絆が深まっていきます。

  • 産後うつのリスクを減らす:肌と肌の触れあいが産後うつ の発症を減らし、ストレスや不安を減らすと言う報告があります。

パパにも肌と肌の触れあいをやってもらうほうがいいの?

もちろんです。 パパも幸せホルモンを分泌して、優しく幸せな気持ちになります。パパが肌と肌の触れあいをすることで、赤ちゃんとの絆が深まるだけではなく、父親としての自信を深めたり、赤ちゃんを守ろうとしたりする感情を刺激します。

ママと同じく、パパが肌と肌の触れあいをすることで、赤ちゃんの体温調整や呼吸の安定に役立ちます。さらに、パパが赤ちゃんと触れあってくれている間に、ママは休むことができると言うメリットもあります。 肌の触れあいだけでなく、パパにはミルク育児の赤ちゃんの授乳 の仕方についても学んでもらいましょう。

肌と肌の触れあいだけでなく、一緒に遊んだり、おむつを交換してもらったりして、パパと赤ちゃんとの絆 を深めてもらいましょう。

まとめ

肌と肌の触れあいはママと赤ちゃんにたくさんのメリットがありますね。例えば、赤ちゃんの体温や心拍の調整、血糖値の安定に繋がります。また、ママには母乳の分泌を促すと言う嬉しいメリットも。赤ちゃんは安心感を感じて、泣くことが少なくなり、親子の絆を深めます。

もちろんパパも赤ちゃんとの肌と肌の触れあいを実践してみてください。親と言う新しい役割への自信に繋がります。赤ちゃんが生まれたら、たくさんたくさん抱っこをしてあげましょう。

 

肌と肌の触れあいがもたらす多くのメリットをイラストでご紹介します。

早期母子接触の赤ちゃんへのメリット早期母子接触のママパパへのメリット
  • 赤ちゃんの体温が安定する
  • 心拍数や血糖値が安定する
  • 深く眠れるようになる
  • おっぱいを探すきっかけになる 
  • 泣くことが少なくなる
  • 安心感を与える
  • 赤ちゃんとの絆を深める
  • 親としての自信がつく 
  • 愛情や赤ちゃんを守ろうとする気持ちが生まれる
  • 母乳の分泌を促す
  • ストレスや不安を抑え、産後うつの発症リスクを下げる

 

早期母子接触で母乳育児がやりやすくなる?

はい。早期母子接触をした赤ちゃんは、すぐにママのおっぱいを探して吸い付くので、母乳育児がしやすいと言う研究報告があります。おむつ だけをした赤ちゃんの胸を素肌のママの胸と合わさるように抱っこした状態で、しばらく一緒に過ごしてみましょう。

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どのくらいの間、早期母子接触をするの?

出産直後の肌と肌の触れあいだけにメリットがあるわけではありません。赤ちゃんが喜んでいれば、肌の触れあいを出産直後もずっとやってあげましょう。赤ちゃんにもママパパにもたくさんのメリットがある肌と肌の触れあい。楽しんでやりましょう!

赤ちゃんが大きくなり、胸の上に置いても動きだすようであれば、早期母子接触も卒業かもしれません。ベッドで添い寝をしたり、手をつないだり、別のやり方で赤ちゃんとの絆を深めていきましょう。

早期母子接触で気をつけたいことは?

出産後すぐにやることを薦められている早期母子接触ですが、もちろんママと赤ちゃんの健康状態によります。赤ちゃんの状態によっては、少し間を置く必要があることも知っておいてくださいね。

  • 出産後、赤ちゃんに何らかの問題がある場合、赤ちゃんの状態が安定するまで早期母子接触は避けたほうが良いでしょう。

  • 出産直後の赤ちゃんの健康状態を表すアプガー指数が低い場合、 赤ちゃんの状態が安定するまで、早期母子接触は避けましょう。

  • 赤ちゃんの呼吸に異常がみられる場合、早期母子接触は後になるでしょう。

  • 長時間に及ぶ出産で、ママやパパが疲れていることもあります。誤って赤ちゃんを落としてしまうと言うようなリスクがあると判断した場合には、早期母子接触の開始を遅らせて、まずはママパパの体調回復を勧められることもあります。通常、早期母子接触の間、病院のスタッフは危険がないよう、赤ちゃんにモニターをつけて様子を見ながら行っています。

安全に早期母子接触をするために、以下に気をつけましょう。

  • 赤ちゃんに集中して、電話が鳴っても電話には出ないようにしましょう。

  • 風邪気味だと感じたら、赤ちゃんに移さないためにも早期母子接触は止めておきましょう。

  • 赤ちゃんの肌はデリケートでとても敏感です。香水などはつけないでおきましょう。

  • ママパパの肌に発疹やヘルペス、皮膚病がないかを確認しましょう。

  • 早期母子接触前にタバコは吸わないようにしましょう。

まとめ

出産後、赤ちゃんの状態によっては、早期母子接触を遅らせることもあります。赤ちゃんの状態が良くなったとお医者さんが判断したら、早期母子接触をすることができます。 

早期母子接触をやっている時は、携帯電話などに気を取られないようにして下さい。ママの肌を清潔にして、赤ちゃんの肌を刺激しないように、香水などは使わないでくださいね。ママの体調がすぐれない時は、早期母子接触は止めておきましょう。

 

おわりに

早期母子接触や肌と肌の触れあいは、産後の赤ちゃんとの絆を深める素晴らしい方法です。肌と肌の触れ合いは赤ちゃんとの感情的な結びつきを深めるだけではありません。赤ちゃんの呼吸や体温が安定するなどのメリットもありますし、ママパパにはオキシトシンやエンドルフィンなどの幸せホルモンの分泌を促します。母乳育児を目指すママは、是非、早期母子接触を試してみましょう。赤ちゃんがおっぱいを探して、吸い付いてきますよ。

一般に、早期母子接触は産後直後に実施します。通常、できるだけ早く、産後1時間以内に実施するのが効果的と言われています。

でも、分娩は必ずしも思い通りに進むものではありません。お医者さんが、帝王切開や会陰切開の処置を行うこともあります。このような場合、早期母子接触はもう少し待ってくださいね。

また、出産後の赤ちゃんに問題があり、緊急な治療が必要な場合もあります。このような場合も、早期母子接触は少し後になります。

分娩時は何が起こるか分かりませんが、あまり心配し過ぎないようにしましょう。肌と肌の触れあいはおうちでもできます。ママパパと赤ちゃんの絆を深める時がまもなく来ます。

本記事の内容について 本記事に掲載されている情報は、信頼のおける医療機関や政府機関からの情報にもとづいたものです。 参考及び参照のリンクにつきましては、以下をご参照ください。また、掲載された内容につきましては十分な注意を致しておりますが、医療従事者などの専門的な意見に取って代わるものではありませんので、ご注意ください。 診断や治療法につきましては、必ず 医療従事者などの専門的な意見を聞いていただきますよう、お願い申し上げます。

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